[東京喰種]喰べたいけど喰べたくない。3[月山習]

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「Aお姉ちゃん!ここのドア閉めて!」



ヒナにそう言われ、ドアを閉める。


何するつもりだろ。



コンコココンコンコン、と聞いた覚えのあるリズムでノックされた。



「エルサ、エルサ!雪だるまつくーろー?ドアを開けてー?」



「ぶはっ!!」



ドアの向こうから聞こえてくるヒナの歌声に笑ってしまう。



「あっち行って、アナ」


「…わかったよ〜。……Aお姉ちゃんじゃあね!ばいばーい!」


「おー」



ドアから顔を覗かせて、手を振って帰っていく。



数時間前にあたしの家に押しかけ……ごほん、訪問してきた。



トーカもいなくて暇だったから来たんだそうだ。




丁度あたしも暇だったからよかったんだけど。




玄関に背を向けると、再びドアの開く音がした。


ヒナか?忘れ物?






「……なんだお前かよ」


「そこでリトルレディとすれ違ったよ」


「さっきまでいたからな」



自分の家のように上がり込んでくるこやつ。


もうなんも言わないよ…。好きにしてくれ…。



「何か聞こえたようだが?」


「ああ、ヒナが雪だるまつくーろーって言ってきたからノっただけ」



というか外まで聞こえてたんだな恥ずかしい。



「……ちょっと言ってみてくれないかい?」


「はぁ?」



何言い出すんだこの変態。


ドン引きする。



なんで言わなきゃなんねーんだよ。




「やだ。絶対言わない」


「言わないとキスするよ?」


「え、脅迫?」




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