[東京喰種]喰べたいけど喰べたくない。3[月山習]

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翌日。



携帯の電源を入れると物凄い数の着信。


全部江利からだ。




震える手を握り締めて、通話ボタンを押す。


コール音が流れながら、ドアノブを回す音がした。



……ドア?




「Aっ!!」



開けると、飛び込んできた江利。



「江利っ…!?」



涙目であたしにしがみつく。


突然のことに動けない。



「ばか!!電話取ってよ!!」



溜まっていた涙が溢れた。


あたしの服にシミを作っていく。



「……ごめん」


「言ってよ!喰種だって!」


「……ごめん」


「あたし言ったじゃん!AはAって!」


「……うん」


「今までのAとなんも変わんないじゃん!」


「……うん」


「だから離れないでよ……」


「……うん」



しゃくり上げながら泣き出す。



「何年の、付き合い…だと思ってんの……」


「……8年くらい」


「今更、喰種、とか、そんなのどうでも、いいから…」


「……そうだな」


「……ばか」


「……うん」




あたしはばかだ。


こいつはあたしを信じてくれるじゃんか。



「Aがいなくなったら、…寂しい」


「……うん」


「喰種でもいいから…」


「……うん」



潤んだ江利の視線が絡まる。



「ごめん」



あたしに言えるのはこれだけ。



全部話すよ。





・






「Aは喰種と人間のハーフってこと?」


「そういうこと」


「そういうのもあるんだね〜」



呑気に頷いたこいつ。


さっきまで泣いてたのと同一人物とは思えない。



「…じゃあ、あの…月山さん?も喰種?」


「…まぁね」


「だったら大丈夫だね」


「何が」


「喰種と人間だったら子供生まれる可能性低いんでしょ?喰種と喰種なら大丈夫じゃん」


「ん?何言ってんだお前は?」




やっぱりばかはこいつか?





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