[東京喰種]喰べたいけど喰べたくない。3[月山習]

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「何にする?」


「んー……」



江利が手に持ってるメニューを見るために少し屈む。


結構身長差あるからね。



「……じゃあこれ」


「わかった。注文してくるね」



手を振って見送る。


注文する後ろ姿を見て、席を取った。



物食べれないからコーヒーなんだけどね。



しばらくして、江利が肩を震わせながら戻ってきた。



「……なんで笑ってんだ」


「だ、だって…これ貰っちゃったんだもん…」



見せられたのはハート型のクッキー。



「これカップル限定なんだって……」


「返してこい」


「やだ。せっかくだし貰おう」


「あたし食わねーよ」


「えぇー?」



早速クッキーを齧った。


無理だわ……。



「いらないの?」


「うん。いい」


「美味しいのに」



あたしたちにとってはくそまずいんです。


人間の味覚はわからない。



唯一飲めるのがコーヒーだけ。


つーかここのコーヒー美味いな。






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「……ちょっとトイレ」


「はーい」



店を出てしばらく、公園のトイレに駆け込む。



あいつ口に押し込んできやがったよ……。




食わねーっつったのに…。


なんとか堪えたけど今すぐにでも吐きそうだった。





落ち着いてトイレを出る。



……江利は?




辺りを見回してもいない。


微かに香る江利の匂い。



そしてそれに混じる喰種の匂い。




まじかよ最悪じゃん……。



俯いた顔を上げて、匂いがする方角へ急いだ。





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