[東京喰種]喰べたいけど喰べたくない。3[月山習]

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「はぁ!?来れなくなっただと!?」



あんていくにあたしの声が響いた。


通りかかったニシキに頭を叩かれる。



「あだっ、ごめんって。……はぁ、しょうがねーなわかったよ。じゃあな!ばーか!」



電話の向こうは習。


ドタキャンとかふざけんなよ。……まぁいいけど。



通話を切ってため息。



「ドタキャンだな」


「その通りだよ」



ニシキにじっとりとした視線を送る。



「じゃあ働け」


「あたし今日オフだし」



昨日いっぱい働いたからいいんだよ。



今日はトーカとヒナもいないしロマもいないしニシキぐらいしかいないなー。


つまんねーの。



「A!!」


大声と共に扉が開いた。



「あれ、大地じゃん」


「今日、暇!?」


「たった今暇になった」


「じゃあどっか連れてって!」



しばらくの間見つめ合う。


…いいかもしれない。暇だし。



「おー、いいよ。行くか」


「あれ?月山の兄ちゃんは?」


「いない」


「だったらA一人占めだ」



大地が嬉しそうに言った。



「そうだな。今日はお前が一人占めだよ」


「……月山泣くぞ」


「いいんだよあんな奴は」



ニシキの言葉をスルーした。


今日は大地とデートするんです。習なんか知りません。




「……なんかおっきくなった?」


およそ一ヶ月ぶりに見るこいつは身長があたしの顎くらいになっていた。



「俺もう誕生日来たもん!11歳!」


「お、じゃあおっきくなってるな」


「いつかAも越して見下ろすんだからな」


「何年後のことやら」


「すぐだし」


「男の子は成長遅いからねー」


「違う!俺はすぐおっきくなって月山の兄ちゃんも越すの!」


「習越すとかどんだけでかくなるつもりだよ……」



並んで歩きながら笑う。



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