[東京喰種]喰べたいけど喰べたくない。3[月山習]

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「なんか食べる?一応持ってきたよ?」


「……食欲ねーわ」



というか食べれないです。



「あ、コーヒー持ってきたよ。飲む?」


「飲む」



さすが江利だぜわかってる。


コンビニの袋から出したのは、あたしがいつも飲んでいる缶コーヒー。



「昔から飲んでるからいい加減覚えちゃった」


「これが一番好き」


「よく飲めるね…」



ブラックだからか江利が顔をしかめた。



「まだ飲めねーの?」


「無理。苦い」


「おこちゃまめ」


「童顔に言われたくない」


「んだと」



動けないから睨むだけ。


プルタブを引いてコーヒーを一口。



今日まじでしんどいな……。




「私はお昼ご飯を食べます」


「食ってから来いよ」


「Aが苦しんでるかなーって思って急いで来たんだよ!?」


「ありがとな!」



わかったから早く食え。


眺めてるとパスタを食いだした。



「食べる?」


「いい」


「食べて。はい」



パスタが巻き付いたフォークを突き出された。


……今、人間の食い物食ったらたぶん死ぬ。



丁重にお断りさせて頂こう。




「無理。今食ったら吐く」


「ふむ、だいぶ重症だね」


「さっきからそう言ってんだろ…」


「じゃあいいよ。ごめんね。休んでて」



もう一度ベッドに入って苦痛に耐える。


いてーよまじで……。









・





目が覚めると一人だった。



「……江利は!?」


テーブルの上には小さなメモが。



帰るから戸締りよろしく!
明日は学校来るように。
お大事に!



……頬が緩む。



なんだよ、あいつただのいい奴じゃん。





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