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北山くんの声がして後ろを振り向いた。


振り向いたら、顔の目の前にあるイルカのぬいぐるみ。

北山くんの顔はぬいぐるみに隠れて見えない状態だった。


「…え?」


びっくりして思わず声が出てしまう。

だって、だってさ。


北山くんが北山くんじゃないみたいなんだもん。


そしたら、ひょこんって顔を出して、


北「イルカ(笑)

好きなんじゃないの?


…ちょっと子どもっぽかったかな。」


って。



「…ありがとっ。


トイレは嘘だったの?

わざわざ買ってきてくれたの?」



北「んーまぁね。


いらなかったらいいけど。」



そう言うとぬいぐるみを袋にしまおうとするから、

思わず、


「…ひろみつくん!


ありがとう、めっちゃ嬉しい!」



って言っていた。



「あ、やっと笑った(笑)


どういたしまして。」




…やばい。


やばいよ。


この2日間、嫌なことから始まったはずなのにもうそんなことどうでも良くなってるんだもん。


勝手に布団に入ってきたり、勝手に家に住むって言ったり、いきなりデートに誘ってきたり…。


ねぇ、北山くん。


あなたは私をどうしたいの?


このままだと私、あなたのこと本気になってしまいそうだよ…。



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作者名:yun | 作成日時:2017年4月11日 0時

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