【MSS.P】先生って呼ばないで【あろま.ほっと】

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準備室を飛び出した私はすぐに教室に戻り自分の席に座った。


またやってしまった。


また、先生のことが好きだと思ってしまった。


ふわふわってする気持ちと同時に罪悪感も込み上げてくる。


こんな毎回毎回、先生のことを想って罪悪感を抱いていたらキリがない。


私まだ先生が好きだし多分このまま忘れることなんてできない。


“失恋には新しい恋”なんて言ったの誰よ。


まあ、自分でもそれを信じてしまったわけだけど。


「やっぱ、こんな中途半端なままじゃダメだよね…」


まだ未開封だったりんごジュースのキャップを開け、それを一気に喉に流し込む。


ぬるくなった甘酸っぱいジュースが喉を通る。


さすが果樹100%


りんご感がすごい。


先生に想いが通じることなんて100%ないのになんで優しいえおえおを傷つける道を選ぶんだろう…


決意した矢先にえおえおの悲しそうな顔が浮かび怖気付く。


でも、このままだとどちらにせよずっと悲しい顔をさせてばっかになる。


それなら最低な私を見せて、私から離れて、それこそ新しい恋を見つけて幸せになってもらいたい。


.


「…あれ、Aどうして」
「一緒に帰ろうと思って待ってた！早かったね」


部活の終わるであろう時間よりちょっと早めに昇降口で待っていると、そんなに待たずにえおえおは現れた。


靴を履き替え私の隣に並んだえおえおと共に歩き出す。


「あー、引退試合前だから早いんだよ」
「引退試合前だから長くやるとかじゃないの？」
「疲れを残さないためとか言ってるけど絶対めんどくさいだけだよ」


私が笑うとえおえおも笑う。


どちらからともなく手を繋ぐ。


…この心地よさも今日まで。


えおえおは今日部活であったこととか昨日の飼い猫の奇怪な行動とかを楽しそうに話してくれた。


私もそれに相槌を打ちながら話を聞く。


えおえおといる時間が長くなって、側から見ても、私から見ても恋人同士だなって思えるようになった。


「ねえ、えおえお？」

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