22 寝れないor寝かせてくれない3 ページ22
「え?や、約束って…」
何の事だか咄嗟に思いつかずにおそ松兄さんを仰ぎ見ると、
じとーっとした目が私を見つめていて、自分の顔が熱くなっていくのを嫌でも感じる。
おまけに両手を拘束されていて、顔をそらすことができない。
このお家に住まわせてもらってから、まだ日は浅い。
おそ松兄さんとなにか約束なんてしただろうか。
「・・・はっ!」
もしかして、
「遠慮をしないこと…?」
「正解」
おそ松兄さんはそう言うと、私の手からパッと手を離し、
にっこり笑って私の頭をポンポンと優しく撫でた。
「こんな男ばっかのむさ苦しい家にいきなり連れて来られて、遠慮すんな、なんてまだ難しいかもしれない。じゃあなんでAにこんなこと言ったか分かる?」
「…分かんない」
「…Aを家に連れて帰ろうと最初に言い出したのはカラ松だ。知らない人を、しかも女の子を連れて帰るなんて、俺はあんまり乗り気じゃなかった。でもカラ松に言われて、もう一度Aの顔見たら、おまえ、泣いてたんだよ」
「え…私、泣いてたの?」
最後に泣いたのはいつだったか思い出せないくらいなのに、私、眠っている間に泣いてたのか…。
「うん、それ見て俺、なんでか分からないけど、
この子は幸せにならなきゃだめだ!!って思ったんだよね」
へへ、と鼻の下をこすって笑う、彼の癖。
「だからさ、すぐには無理かもしれないけど、いつか本当の家族みたいになれたらなぁなんて…って、なんかごめんな!こんなしんみりさせちゃって!」
照れたように笑っていたかと思えば、今度は少し慌てたように、取り繕うように笑っている。
あれ、なんだこれ。目の奥がじーんと熱い。
段々とぼやけるおそ松兄さんの顔が、キラキラと眩しい。
「あーほら、泣くなって〜」
「うう〜」
その優しい声に更に涙が溢れた。
そうか私、泣いているんだ。
涙なんて暫く忘れていたから、止め方が分からないよ。
「なんでそんなに、優し、いの…ううっ」
まるで赤ん坊のように泣きじゃくる私の背中を、
おそ松兄さんは優しくさすってくれる。
「…明日は、十四松と野球するんだっけ?」
「うん」
「俺も行ってもいい?」
「もちろん!」
やったー!と笑顔で喜ぶおそ松兄さん。
その笑顔を見ていたら、なんだか安心して、涙も収まってきた。
すると途端に眠気が襲ってきて、思わず笑みがこぼれてしまう。
「ん、おやすみA」
「おやすみ、おそ松兄さん…」
アニメ2期おめでとう!!すごい嬉しい
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もっちゃん(プロフ) - みかんたべたいさん» コメントありがとうございます!お返事遅くなってすみません!嬉しいです♪更新は不定期で本当に申し訳ないですが、頑張って少しずつ更新して行きたいと思います! (2017年3月11日 23時) (レス) id: 69ad4cda33 (このIDを非表示/違反報告)
みかんたべたい - おもしろいですね!!!これからもがんばってくださぁぁぁぁい!!! (2016年7月3日 14時) (レス) id: dd6ee1b572 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:もっちゃん | 作成日時:2016年4月7日 17時