21 寝れないor寝かせてくれない2 ページ21
「しょうがないだろ、松代松造の部屋は一階だよ?Aを一人にする訳にはいかないし、ソファで寝かすとかもっとだめだろ」
「それはそうだけど…」
もっともな事だとは思うが、仮にもAは女の子だ。
いくら童貞とはいえ、そこは考慮してあげなければならないのではないかとチョロ松は思う。
「いや、童貞関係なくね」
「ちょっとおそ松兄さん!?心の中を勝手に読むな!
ねえみんな!」
「…俺は別にいいけど」
「なになに!?Aも一緒に寝るの!?やった〜!!」
「修学旅行みたいでいいね〜もちろんAの隣は僕だけどっ」
「はああ!?」
チョロ松は振り返り他の兄弟たちに助けを求めたが、
そんな期待もむなしく、皆既に乗り気であった。
そうだ、こいつらは全員クズニートだった…と悟った。
「ようし、んじゃ気を取り直して〜じゃんけんぽんっ!」
結果は、チョロ松がグー。他全員パー。
「…なんっでだよ!」
「ぶははは、いいんじゃね、おまえが一番文句言ってたんだし」
うんうん、と他の兄弟たちも頷く。
「あ、Aおかえり」
「どぅーーん!!」
「ただいま…わわっ!?」
髪を乾かし終えたAに十四松がタックルをかます。
「A!こっちこっち!一緒に寝よ〜!」
ぐいぐいと十四松がAを引っ張り、
Aは少し転びそうになっている。
「え!?一緒に!?ちょっ、十四松兄っ…
いいよ全然私ソファーとかで!どこでも寝れるし!」
確かにおそ松とカラ松がAを見付けた時、
Aは路地裏で眠っていた。
「うわわっ!?」
突然、寝転んでいたおそ松がぐいと強引にAの腕を引っ張った。
その勢いでおそ松の隣に倒れ込んでしまう。
「ちょっと何するのー…」
かなり強引に引っ張られたので、腕や肩が痛かった。
当然Aは怒っておそ松を睨もうとして、ハッとなった。
お互いの息がかかるくらい近くにあったその顔は、
Aの知っている顔ではなかった。
おどけたような、優しい笑顔ではなかった。
どこか冷たい光を湛えた瞳。初めて見る、男の顔だった。
一瞬ドキリとして、とにかく目をそらそうと勢いよくおそ松に背中を向けた。
「こっち見ろ」
肩を掴まれた手が熱く、無言の圧力を背中に感じたAは
ゆっくりと振り返った。
それからおそ松は、Aの両手をぎゅっと握り、
「約束をやぶった罰」
Aにしか聞こえないような小さな声でそう囁いた。
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もっちゃん(プロフ) - みかんたべたいさん» コメントありがとうございます!お返事遅くなってすみません!嬉しいです♪更新は不定期で本当に申し訳ないですが、頑張って少しずつ更新して行きたいと思います! (2017年3月11日 23時) (レス) id: 69ad4cda33 (このIDを非表示/違反報告)
みかんたべたい - おもしろいですね!!!これからもがんばってくださぁぁぁぁい!!! (2016年7月3日 14時) (レス) id: dd6ee1b572 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:もっちゃん | 作成日時:2016年4月7日 17時