19 松野家のお風呂事情3 ページ19
風呂から上がり、脱衣所に向かう。
デカパン博士、というどうにも胡散臭い博士にもらった薬により、私の怪我は全て綺麗になくなっいる。しかしそれは表面上のみの話であり、今でも腹の奥底ではズキズキと鈍い痛みが続いている。まあ、これくらい大したことない。
「えっと、ドライヤーは…」
あった。脱衣所の隅にある洗面台に一つだけあった。しかもかなりボロイ。
「これ使えるのかな」
スイッチを押してみる。ブオオ…と頼りない音とともに、頼りない風が吹き出される。
「ああっもう!面倒くさい!」しばらく我慢して乾かしていたが、面倒になり電源を切った。
風を引いてしまうかもしれないが仕方ない。お家で借りよう。
半乾きの髪を懸命に拭き、一松兄さんが持ってきてくれた袢纏を羽織り、暖簾をくぐる。
すると、もう6つ子たちが待っていた。
「ごめん、遅くなりました!」
*
「ごめん、遅くなりました!」
俺らよりあとに出てきたAは、髪がまだ少し濡れていて、頬は紅潮して、目はとろんと潤んでいる。オマケになんかいい匂いする。色気やばくね!?何この破壊力。
「ちょっと抱き締めてもいい?」
「は?何言ってんの、早く帰ろ…!?」
問答無用で抱き締めにかかる。
「おそ松兄さん…苦しっ、離して…」
「やーだ」
はあ…身体柔らか…
細いのになんでこんな柔らけえのよ、女の子ってみんなこうなのかなあー、童貞だから分かんないや。
とりあえず永遠にこうしていたい。
「何がやーだ、だクソ長男!!さっさと離しやがれ!帰るぞゴルァ!!」「いでっ!!」
後頭部を殴られた。パッと手を離した隙にAは逃げてしまった。あーあ。
しばらく頭をさすり、顔を上げると、Aは既に遠くの方で十四松に一松と共に抱えられてバタバタしていた。その後ろではトド松とカラ松が並んで歩いている。
「はあ〜!A可愛いっ!」
「てめぇ…」
「えっなあに怒ってんの?」
キャーチョロちゃん怖い!とおどけて見せると、また殴られた。
怒っている理由は分かるけど、そんなに殴らなくてもいいじゃんか。
「ほら、僕たちも帰ろう」
「おう」
モタモタしてると、お兄ちゃんがとっちゃうよ?
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もっちゃん(プロフ) - みかんたべたいさん» コメントありがとうございます!お返事遅くなってすみません!嬉しいです♪更新は不定期で本当に申し訳ないですが、頑張って少しずつ更新して行きたいと思います! (2017年3月11日 23時) (レス) id: 69ad4cda33 (このIDを非表示/違反報告)
みかんたべたい - おもしろいですね!!!これからもがんばってくださぁぁぁぁい!!! (2016年7月3日 14時) (レス) id: dd6ee1b572 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:もっちゃん | 作成日時:2016年4月7日 17時