14 一松とご挨拶1 ページ14
他愛もない話をしながら、
ドタバタと松野家に帰ってきた。
「「ただいま〜」」
靴を脱ぎ部屋に上がると、
辺りはしんと静まり返っていた。
あ、ちなみにこのスニーカーも、
先程買ってもらったものである。
赤いスニーカーがよかったに、
トッティが何故か赤はだめだと頑なに言うから
仕方なくピンクのスニーカー。
私に赤は似合わないのかもしれない。
「母さんたちは確か旅行だけど、
誰もいないのかな？」
スパンッと襖を開けると、
中には誰もいない。
「ヒャッホ〜！誰もいない〜！」
嬉しそうにクルクルと舞うトッティ。
ふふ、可愛いなぁ。
自然と笑みが零れる。
「ねえねえ、何する？映画でも見る？
あっ、荷物二階に置いてきなよ！」
「うんっ！持ってくれてありがとう。
全部私のものなのに…」
「ん？ああ、気にしないで！
僕だって、男だからね！力はあるよ〜」
持ってくれた荷物を受け取り、
トントンとリズムよく階段を上りながら、
トッティとの距離が少し縮まったかも知れない
と、呑気なことを考える。
俄然嬉しくなって、無意識に鼻歌を
歌いながら襖を開けると…いた。
「ひっ、あっ、一松兄さん…」
「ん？ああA、帰ってたの。
…おかえり」
「…ただいま、一松兄さん」
誰もいないと勝手に思い込んでいたため、
ましては噂の渦中の人物に
ぎょっと驚いて立ちすくんでしまった。
「どうしたのその荷物。
来たばっかで、もう家を出ていくの？ひひ」
「…っ、いや、トド松兄さんと
買い物に行ってきただけだよ」
「そう」
トッティはああ言ってくれたけど、
やっぱり私に、出て行って欲しいのかも知れない。
よし、ここは勇気を出してちゃんと聞こう。
うんと頷かれたら、もうこの家を出よう。
覚悟を決めて、口を開いた。
「あのさ、一松兄さん」
「…なに」
何気なく声を出したつもりが、
思った以上に声が震えていた。
「…私のこと、嫌いなの？」
「はあ？何言ってんの、ってあああああああ！！？」
一松兄さんが、怯えきった顔で
背面の壁まで勢いよく後ずさった。
びっくりして一松兄さんの
指さす方を見ると、
そこには黒くてカサカサと動く物体が。
「ひっ、ひぎゃあああ！！」
思わず、一松兄さんにギュッと抱き付いた。
一松兄さんもかなり強く締めてくるので
ちょっと苦しいが今はそれどころではない。
ゴキ○リだけは本当勘弁してください…！！
「おいA！どうにかしろ！
じゃねえとブッ殺すぞ！！」
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もっちゃん(プロフ) - みかんたべたいさん» コメントありがとうございます！お返事遅くなってすみません！嬉しいです♪更新は不定期で本当に申し訳ないですが、頑張って少しずつ更新して行きたいと思います！ (2017年3月11日 23時) (
レス) id: 69ad4cda33 (このIDを非表示/違反報告)
みかんたべたい - おもしろいですね！！！これからもがんばってくださぁぁぁぁい！！！ (2016年7月3日 14時) (レス) id: dd6ee1b572 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：もっちゃん | 作成日時：2016年4月7日 17時
