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『…眠いなぁ』
登校中、
電車内で兄にもたれていたら、口からそんな言葉がこぼれた。
黒尾「?じゃあ寝ればいいじゃない」
孤爪「…Aは寝れるならそんなこと言わないよ」
『無知だね、クロ』
黒尾「なんなのこの兄妹」
席が余ってなくて吊り具を持って見下ろしてきているクロと話す。
こういう時間も寝ていたいのに…。
『さっきから変な視線感じるんだよね』
執念深い、蛇のような視線を感じて気持ち悪くて寝れない。
誰だよ…。
孤爪「…!誰、それ」
『分かんない。…でも向かい側の席なはずだよ』
気持ち悪くてケンマの肩に顔を埋めて会話をする。
でもどんだけ視界が暗くなっても寝れない。
『腹立ってきた、クロ一発やらせて』
黒尾「今真剣な話してんのにのんきだねぇ」
…クロがツッコミ入れてくるのも腹立つ(いつも)
『ひぃひぃおばあちゃんかな…』
孤爪「あの飴くれてた?」
『うん。もしかしたら今電車内にいるのかも』
手の届かない場所へ行ってしまったおばあちゃんの話で寒気をごまかす。
すると、少し懐かしい木の匂いが記憶をかすめてきた。
一分ほどたつと、だんだん瞼が重くなってくる。
『…ケンマ、寝る』
孤爪「…うん。分かった」
温かい体温を感じながら、おばあちゃんの記憶の方へ歩み寄る。
黒尾「視線のことは任せて眠ってください?」
『うん』
いつもより優しいクロに若干違和感を持ちながら、意識を手放していった。
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愛され眠り姫って感じ
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作者名:ケロケロケロッピ | 作成日時:2024年3月20日 9時