【m/ss/p】うそつきももんが【FB夢】

ゲーム実況って知ってる？ ページ7

「あー、誠の」

「待っ…知ってる？」

FBさんがなぜか自分からお仕事を明かすような話の振り方をして、
察した山田さんが代わりに話そうとしたのも手を出して止めて私に聞いた。


それはまるで、
『もしも実況やMSSPを知っている人なら
遅かれ早かれバレるだろうからリスクを把握しておかなければ。』

と言っているように思えてしまって、
さっきまでは何気なしにお話できてたのに
急に目を合わせられなくなる。


声音は怒ってるようなわけでもなく、
何気ない話の延長線上 なんでもない事のように聞いていて
「あなたがFB777だ」って知っている私は言うタイミングを逃しただけなのに なぜか怖くて言い出せなくなる。


だめだとわかってる。
頭の中でいけない、って警報が鳴る。


ゲーム実況を知ってて、
MSSPも知っています。
あなたがFBさんだってことも知っています。

なんて言ったら
今日はなかったことになっちゃう。

推しに恋しちゃダメなのに。
嘘をつくのはもっとダメなのに。
夢見心地の自分が
元々なかったはずの''今日''に悪あがきしようとしていた。


「ゲーム実況ですか？」

「なんとなく聞いたことあるくらいです」


もう口を開いたら、頭が考えるよりも先に喋っていて、
10年以上「それ」を見てきたとは思えないくらいすんなりと口から出てしまっていた。


そうやって私は、
10年前から聞いた声に、
大好きでたまらない人に、

嘘をついた。




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