【m/ss/p】うそつきももんが【FB夢】

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念願のパンケーキを奢ってもらったあと、
お礼を伝えたあと特に交わす言葉もなく、
お店の前でこつぜんとふたりで立ち尽くしてしまう。

「なんか…みたいものとか…あります…？」
「…あっ、えっと、…誠さんなにかありますか？」
「いや、おれは…」
「わたしあんまり服とか疎くて」
「おれもです、ちょっと苦手で」

「駅までゆっくり歩きます…？」


…

〜♪
「いい曲｣
「こういう曲好きなんですか？」
「あっ」
アパレル店のBGMが耳馴染み良くて、
つい声に出てしまっていた。

ライブでも好きな曲が来たら声をあげてしまうくらい
いい曲を聞くとすぐテンションがあがってしまって
やってしまった、
変なことしてしまったなとFBさんを見たら
彼は優しい顔でこちらを見て、私が何か言うのを待ってるようだった。

「…こ、こういう疾走感がある曲が落ち着くので」

「俺も好きです。音ゲーの曲とか好きなんですよね」

話したくてたまらない、好きな音楽の話。
でもわたしはゲーム実況を知らない女の子にならなきゃ。
MSSPを知らないFBさんを知らないひと。

でも、これだけならきっと繋がらないはず、
嘘ついてるのがバレないはず。
「…beatmaniaの曲とか、すきです有名どころだけですが」
「Aさんビーマニ知ってるの？！」

「高校の友達が好きで勧めてくれて」
「俺昔すごくハマってて、そんなうまいわけじゃないんですけど。でもAさんとは世代が違うかなあ」



………
音楽の話をしてたらもう駅に着いてしまっていて、

「あっもう駅」
「ですね」
「…」

また沈黙の場が生まれたとき、
先にそれをさいたのはFBさんだった。

「あの、良かったらまたごはん食べに行きませんか？」
「いいんですか？」
「Aさんがよければ…こんなおっさんでよければ」

少し照れの入ったような声音で
勇気を出して教えてくれたんだなと心が熱くなる。
次の食事も誘ってくれる、今日の食事にはお酒なんて入ってないのに。


「甘くないのも好きなので、こちらこそまた一緒にいきたいです。」

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