【m/ss/p】うそつきももんが【FB夢】

生クリームたっぷりのったパンケーキ ページ11

二度目の推しとの邂逅は
パンケーキ屋さんが入った商業施設。

前回のはお酒も飲んでいたし、
とてもよく似ていた他人が来ることを
少しだけ期待したけど、
待ち合わせ場所に来たのは
やっぱり見紛うことなく推しだった。

だって驚くくらい全身真っ黒だったから。

待ち合わせ場所に訪れたFBさんは
バケットハットとマスクとメガネでとても怪しいけど、
そこはつっこまずに 「暑くないですか？」
と聞けば「日に焼けたくなくって」と返され
思わず日傘に入れ込む。


ぎゅっと近くなった距離に、
ほんの数秒で日向に逃げ込み
さっきより警戒するように距離をとって
「Aさん、不用心ですよね」
と困り顔をされた。

そこまで言う！？！と少しショックを受けてると
「スケジュール送っちゃうとことか」
「サシで食べに行くとことか」
推しから会って数秒でダメ出しをされて
半分涙目だけど、事実なのでなんも言えない。


「まあそれで着いていくオレもオレですけど」


「え！？！そこで自虐ですか？」
「ワハハハ！一方的に言うわけないじゃないすか！」
いつも生放送、動画で聞いてる
人を一瞬で元気にさせる笑い声が
吹き抜けに少しだけ響く。

本当に推しと2人で会ってるんだなあと、
浮き足だった気持ちでどこか他人事のように思う。



パンケーキの上に建てられた生クリームの塔は30cm以上あるんじゃないかと思えるくらいで、
2人で甘いパンケーキとしょっぱいパンケーキを分け合いっこした。

こころなしか、口角の上がったFBさんは
ダイエット中だからいけないんだけど…
チートデーだから…と何度か呟いて
パンケーキを美味しそうにモグモグ召し上がって
もうオタクは至近距離でその姿が見れるだけでお腹いっぱいだった。

「もっと食べていいですよ？」
「いや俺半分以上」
「ちょっとおなかいっぱいで、少し手伝ってくれたら嬉しいです」

「これなにかな〜 はちみつ！」
「ふふふ、はちみつ！さらに甘いですけど」
「ちょっとだけ〜」

はちみつを見つけて上機嫌になったFBさんは
もうダイエットも忘れて、もぐもぐとパンケーキの山を減らしていった。

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