風都探偵4

W38 ページ38

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翔太郎Side




カシャン… カシャン…




翔太郎「うぅ〜 イテテッ」



ときめ「ねぇ… その古めかしい

タイプライターの報告書って必要なの？」



亜希子「いや〜 依頼人へのちゃんとした報告書は、

私がPCで作って渡してるんだけどね」



翔太郎「うるせぇなぁ、これはな！

おやっさんの時代からのうちの事務所の儀式なんだよ！

これ打たないと事件が片付いた感じがしねぇんだ」



亜希子「さすが、何事も形から入る男、翔太郎君」


照井「フッ」




事件はポール東城と奏 利津子の逮捕で幕を閉じ、

パズルメモリのブレイクによって

奪われた人々の腕はすべて元通りになった




伝一郎さん、元ボクサーの浅野さん、

元フェンシング選手の近藤さんもそれぞれ警察に出頭した

彼らも不法な人身売買で

金銭をもらった事に変わりはないからだ




だがみんなそれぞれに罪を清算し、

新たな人生を歩んでくれる事を信じている




東城の野郎が言ったように、

8割の人間は金をもらったまま腕も戻ってきて

大喜びしているかもしれない

でも俺はそいつらがこの3人より幸福とは思わない




伝一郎さんは再び描けるようになった原稿を

見せに来てくれた、その目は輝いていた




成功はただの結果だ

この人が絵を描ける喜び、

それを取り戻せた事が今回の依頼の一番の成果だ




翔太郎「そうだ、照井、

東城たちの様子はどうなんだ？」



照井「奏 利津子は風都署で取り調べ中だ、

彼女はただ登場に心酔していただけで、

敵組織の事はほとんど知らないようだ、

東城は多少の意識はあるものの、ダメージが大きい…

念の為また極秘で、ある病院に入れたんだが…」




〜〜〜〜〜〜〜




東城『へっ… へへへへっ…

心配はいらないよ、刑事さんたち…

俺はメガネウラのように消されたりしない』




『『『っ？！』』』




東城『知っているからだよ、あの人は、

俺が何1つ口を割らない事を…

あの神々の街にどれほど心酔しているかを…

あそこに戻るためなら俺は… どんな苦痛にも耐えられる！

ううっ… うがぁぁぁ！！！！…』



医師『これ以上は無理です』


照井『っ…』




〜〜〜〜〜〜〜




照井「もし完全に回復できたとしても、口は割らんかもな」



翔太郎「それほどメモリ犯罪者を惹きつける、

あのバンドウとかいう奴… 一体、何者なんだ…

それに… 神々の街とは一体…」





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