風都探偵3

W8 ページ8

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キク「あんたたちには奇妙じゃろうが、

これが錐通の嫁選びの仮面夜会さ、

私もそうやってこの家に嫁いだ」



空也「おばばは“男女平等”とか“自由恋愛”とか

とはほど遠い時代の人だからなぁ」



キク「…この伝統を破って恋愛結婚した

お前の両親は早くに亡くなった…

私ゃそれが心残りで…」



空也「…またかい、

そんなの偶然だって、いいんだよもう」




空也さんは仮面を付け直し…




空也「両親が死んでからずっと、

おばばが俺の親だ、

だから身を固める決意をした時、

おばばの望む結婚をしてやろうと思ったのさ、

彼女たち4人はおばばが連れてきた、

俺は名前も顔も全然知らない、

でも俺はこの中の1人と結婚する、

どんな奇妙な風習でも、

おばばが満足してくれるならそれでいいんだ」



チャイナ女「ねぇ、もう説明はいいでしょぉ？」



和服女「そやそや、ただでさえみんな、

ご主人と話する時間の取り合いしとるんやで、

愛らしいこのお顔が見せられへん分、

おしゃべりや気遣いで好いてもらわんとねぇ…

ま、首から下以外自慢のなさそうな子もおるみたいやけど」



黒ドレス女「はぁ？！ 誰の事 言ってんのさ！」


和服女「誰とは言ってないやないの」


黒ドレス女「こっち見てたじゃないの！」


和服女「いやぁ〜 この人自意識過剰やわぁ！」



黒ドレス女「それあんたでしょ？！

愛らしいお顔とかホントかしら？

仮面があってよかったわねぇ、

みんな目が腐らなくて済むもんね！」



和服女「こっちのセリフやわ！

うちかてあんたの鬼婆みたいな顔、

見いひんのありがたいわぁ〜！」



空也「まぁまぁ落ち着けよ、夜は長い」


2人「…フンッ！」


チャイナ女「ファ〜…」





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