風都探偵3

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また… 夜が来た…

フィリップの予想を上回り、

猛吹雪は未だに止んでいない




雪に閉ざされたこの鏡野邸での花嫁候補殺人事件…

真犯人のドーパントは必ず屋敷の中にいる




だが、残された容疑者たちを調べたものの、

メモリの持ち主を特定する事は出来なかった




もっとも、この手の調査で

犯人の所持メモリが見つかる事はほぼない




何しろ小さな小箱だ

みな、巧妙に隠す手段を持った上で悪事を犯している




俺たち2人に今できる事は夜通し屋敷中を見張る事…

それだけしかない…




フィリップ「そっちはどうだい？」



翔太郎「今のところ以上はねえ、

とはいえ、さすがに風呂とか就寝とか、

全員のプライベートまでは見張れねぇもんなぁ」



フィリップ「こっちも手掛かりはなし、

容疑者たちを調べたものの、

メモリの持ち主を特定する事は出来なかった」



七海「何も起こらなきゃいいんだけど…」




カシャカシャッ！




バッドショットがいきなり反応し振り返ると




フラ… フラ…




環奈さんが壁に手をつきながら歩いていた…




翔太郎「環奈さんっ」


環奈「…っ！」




環奈さんは俺たちに気づくと走り出し




翔太郎「っ！ 待ってくれ！」




俺は彼女を追いかけ手を掴んで引き留めた




環奈「何です？ 私の素性も、今回の紹介筋も、

知ってる事はすべて話したじゃないですかっ」



翔太郎「それはわかってる…

でもっ、何か足りない気がするんだ…

あんた自身もそうなんじゃないのか？」



環奈「っ…」



翔太郎「昨夜のあんたは俺に何か言いかけてた…

それがどうしても何か引っかかるんだ…」



環奈「私っ… 覚えていませんっ！」


翔太郎「環奈さんっ！」




そういうと環奈さんは俺の手を振り払って行ってしまった…




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