07 ページ8
gr side
オスマンにマンションへと送られると「服とか必要そうなもん持ってくるわ」とAの住んでた家へとUターンして行った。内心感謝しつつマンションへ入り最上階の自宅へ向かう。
「…なぁグルさん」
「あ？」
「Aが俺たちの事覚えとらんくてもまた仲良く暮らせるよな？」
「…愚問だな」
トントンの腕の中で寝息を立ててるAを見てため息をついた。
「記憶があろうが無かろうが、Aは家族だ」
守ってやらねばいかん、と言えばトントンは小さく頷き端末を取りだした。
「アイツらには連絡しとくか？」
「そうだな。ついでに夜集まるよう伝えておいてくれ」
「あいよ」
玄関の鍵を開けて入り寝室のベッドに寝かせる。熱が上がってきたからだろうか、じわりと汗が滲んでいる。風呂に入らせてやりたいが、湯冷めしたら悪化するし着替えもないからさせない方が良いだろう。
「ペ神は？」
「夜勤やで。明日の昼まで戻らんわ」
「…仕方ない、市販の薬で様子を見よう」
そう言えばトントンは薬と飲み物用意しとくわと部屋を出ていく。俺もとある人物に直接伝えてやろうと電話を手に取った。
「____あぁ、俺だ」
《なんやねんグルッペン。俺これから部活やねんけど》
「まあ落ち着け。…Aを見付けたぞ」
そう言えば息を飲んだ通話相手。
そりゃそうだ。長年待ち望んでた相手なのだから。
《記憶は？何歳なん？一体どこに居ったん》
「落ち着け。とりあえず今は熱を出していて寝かせている」
まだ何も聞いていないと言えば通話相手はそっかと呟いて息を吐いた。
「部活が終わったらすぐ帰ってこい。そこで彼女に聞いてみるつもりだ」
《わかったわ。わざわざすまん》
通話を切り汗で張り付いた前髪を払ってやる。
「…お休み」
どうか、良い夢を。
※※
「…」
「ん？どしたん携帯握り締めて」
部活仲間に声をかけられ「なんでもないわ」と携帯をカバンに仕舞い込む。それと同時に顧問が収集をかけたので集まり整列する。
「今日は筋トレと外周10周、その後に軽くチーム戦をやって終わりだ」
「だってよ…終わったらメクド行こうぜ」
「いや、俺はええわ」
「へ？」
声をかけてきたチームメイトにハッキリ断りを入れる。
「今日急いで帰らなアカンねん」
さっさと終わらすぞと言えばやる気(殺る気)に満ちてる俺に気付いたチームメイト達が顔を青くするのが見えた。
「お、お手柔らかに頼むな…ゾム」
「しゃーねぇなぁ」
.
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 584人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
ネクロ雪だるまを食べる - 一目見た瞬間神作品だと分かりました！！自分もめっちゃ泣いて夢主ちゃんをまもらないという使命が出来ました (2023年4月20日 21時) (
レス) @page49 id: e0abe8e0bb (このIDを非表示/違反報告)
Myua(プロフ) - まだ続くんですね!嬉しいです!あとおまけの夢主ちゃんかわいすぎです・・・！ (2020年10月28日 9時) (レス) id: 8e2e6d2050 (このIDを非表示/違反報告)
ツチノコ - 涙全て出し切った。更新頑張ってください！（ちなみに自分でもよくわからんところで泣いてましたね） (2020年10月25日 1時) (レス) id: ea99753475 (このIDを非表示/違反報告)
狐(プロフ) - ワンニャンの人だったのか......待ちます！何年でも待ちます！このお話メッチャ好きなんです！更新頑張ってください！ (2020年10月9日 22時) (レス) id: cd58eafa95 (このIDを非表示/違反報告)
おしず(プロフ) - 消えてしまったのですか…！？全然待ちます、いつまでも待つのでゆっくりでいいので……無理なさらずに更新頑張ってください…！！！！ (2020年10月9日 21時) (レス) id: f2c187ecfd (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
