20. ※ ページ21
『待って待って待って！』
「嫌や」
『ステイ！幾ら何でもちょっとマズいって！』
近付いてくる彼の顔をググッと押して必死に抵抗する。だけど本来の姿をしている彼には大した抵抗になってないらしく、簡単に両手首をつかんで剥がされ唇が首に触れた。
『ひ、ぅっ』
「反応可愛ええなぁ…♡もしかして経験無いん？」
『うるさい！バカチーノ！』
「図星なん？へぇ」
そういう事に興味がなかった私は当たり前だが彼氏が欲しいと思ったことも無かった。顔を赤くして半ギレでそう言えばチーノは嬉しそうに笑い、私のお臍の下辺りを大きな手で撫でた。
「なら、俺と本契約してみる？」
『…本契約？』
「Aがどこにおっても念ずればすぐ飛んで行けるし、魔力もより高まる…例えるとロボロみたいな感じやな」
チーノが言うにはロボロさんみたいに念じれば呼べるし妖狐なのでロボロよりは妖力が強くなる自信がある、という事らしい。
「それにな？妖と人間の本契約ってめちゃくちゃ気持ちええねんて」
『…ねぇ、さっきから言ってる本契約って何？』
「契約したい人間と妖同士で体液を交換すんねん」
『体液？』
「そ。つまり…ここまで言えばわかるやろ？♡」
首からゆっくり下へ向かってちゅ、ちゅ、とキスが降りていく。それは鎖骨で止まり、胸元の第一ボタンを細い指が触れた。
「さっき俺は血を貰ったから、後は俺がAに体液を飲ませれば成立するで？」
『…ッ』
「なぁ、A」
耳元で囁かれる甘ったるい声。それに急に頭がクラクラし始めおかしいと思えば大きな手が顎をすくい目を無理やり合わせた。
「俺と気持ちええ事、スる…？♡」
チョコレートよりも甘美な甘い甘い誘惑。
普通の人なら喜んで受け入れるのだろう。だって彼自身もまあまあな顔立ちだし。
だけど私は____
『…チー、ノ』
「うん？」
『…心配、してくれてありがとう』
でも私には"彼"が居てくれるから。
だから心配なんてしなくていいんだよ。チーノ。
腕に着けていた鈴に向かって強く念ずる。
『…ロボロさん、この空間から私を出して』
「____任せとき」
念ずると共に現れた彼はその小さな体でチーノを蹴飛ばし、手にしていた刀で空間を薙ぎ払う。
すると先程までの空間は消え、心配そうな顔をしていたトントンさんと安心したように笑ったグルッペンさんがそこに居た。
「色々無事か？」
『なんとか』
くしゃくしゃにシワの着いた制服を見てグルッペンさんは申し訳無さそうに頭を下げた。
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まる(プロフ) - 続編あるのちゃんと見てなくて、｢あとがき」で心臓止まるかと思った…その後の安心感ったらありゃしない…ww 続編見てきます！ (2023年4月11日 2時) (
レス) @page50 id: 33402943a7 (このIDを非表示/違反報告)
お月様 - うわ〜〜！推しが守ってくれるってヤバイよ！次の章も楽しみにしてます！ (2021年3月12日 17時) (レス) id: b347abc4d4 (このIDを非表示/違反報告)
ソラ@絶望少女です。(プロフ) - ねぇ…推しが尊いんですが！？どうしたらいいんだよｫｫｫｫｫｫｫｫｫｫオ！！・゜・(つД｀)・゜・ (2021年3月6日 17時) (レス) id: a5be711894 (このIDを非表示/違反報告)
海猫0126 - こんばんは！小説面白かったです^^これからも投稿がんばって下さい！ (2021年3月5日 20時) (レス) id: ecd79149f7 (このIDを非表示/違反報告)
Rin - ちなみに初見です。好きです。() (2021年2月28日 0時) (レス) id: ee43a6ccd3 (このIDを非表示/違反報告)
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