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彼は、猫が好きだった。


買い物の帰り道に猫を見かけると、必ず寄って行って猫を撫でていた。

「よしよし、いい子だね」

そう言って彼が撫でても、不思議と猫は逃げなかった。


あなたの猫を撫でている時の笑顔が、とても柔らかくて。
野良猫に嫉妬してしまうくらい、私はあの笑顔が好きでした。


そして彼は、ゲームが好きだった。


私はどうやっても勝てなくて、いつだって彼にボロボロに負かされていた。

自慢げに笑う彼が、いつもどこか憎たらしくて誇らしくて。


…けれどその日は、私がおかしいくらいに好調で。

どうしたんだろう、そう思ってコンティニューメニューを開いてゲームを中断した。

隣を見ながら、声をかける。

「ねぇ彼方、どうし…」

私はそこで、言葉を失った。

頭の中が、真っ白になった。


彼は、彼方は。

顔面蒼白になって、倒れていた。


ゲームのコンティニュー画面が不安げに揺れて、切れた。

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設定タグ:歌い手 , そらる , 死ネタ   
作品ジャンル:恋愛
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作者名:ななは | 作者ホームページ:なし  
作成日時:2018年4月14日 16時

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