空色そーだ (ページ5)

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だページ5

「そらるさん…、？」

確かに、返ってきた。そらるさんの、私に向けた声。
炭酸みたいに身体を駆け巡って、頭をくらくらさせる声。私の、毒素。

「いるの。A…、そこに。」

そらるさんの手が私の頬に触れた。硬くて、灰色の、私の名前の刻まれた石。

「いる、います。いますよ、そらるさん！」

人生で一番、叫んだ。もう、死んでるけど。
触れてる、そらるさんが、わたしに。

ばちばち、しゅわしゅわ、びりびり。
毒素が血管をめぐる。甘い、甘い、あたしだけの毒。

「好きって、言ってほしいんです。ねぇ、そらるさん…。」
「あぁ、好き。大好きだよ、A。」

伝わるそらるさんの体温。そらるさんだ、そらるさんが、いるんだ。
大好きです。私も、あなた以外にあなた以上の人なんて、ありえない。

「また、絶対会います。私、そらるさんに会いに来ます。」

消えつつある体に気付いて、ありったけの声で叫んだ。ゆめみたいなはなし。
光に包まれる前に聞こえたそらるさんの、「待ってる」を、忘れませんからね。一生、絶対。

もう一度。あなたのソーダみたいにきつくて、苦しくて、愛しい毒素を、味わいたいんです。
出来ることなら、青空の下。真夏の日に、どうか。

空色のソーダ、奢ってほしいです。わたし。

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