【歌い手】Is she loved by…？

四話。 ページ6

「Aー！！」

ドアを開ければ、猪のように突進してきたなるせちゃんの餌食に。

「痛いよ、もう…」

見事に尻餅をついてみんなの笑いの種に。
まふくんにも笑われ、クッキー食べますか？と聞かれた。
美味しそうだったから、口を尖らせながらもうなずいた。

「終わりまし……って、なんです…？この状況、」

花ちゃんがどうやら片付けが終わったらしく、大広間に。
私を下敷きにみんなが面白がっておしくら饅頭をしているところを見られてしまった。
やめろぉおおお…これ以上、私のみじめな姿を晒すんじゃない…！

「た、楽しそう……だね、」

苦笑いしてるじゃん…！
さすがにここに新しく入ってきた子には少々、キツいんでは…！？

「は、離れろ…！！引いてるでしょ…！？！？」

「ごめん、ごめんw」

「まふくんとなるせちゃんはともかく…はぁ。……そらるさんは…」

そんなキャラじゃないですよね！？と見つめればあざとく、キョトンとされた。
くそぅ、そらるさんじゅっさいのくせに…！！あざといし…！！可愛いし…！！かと思えば大人だし！？
反則だよ、ねぇ。

「……もう…」

「ご、ごめんって…、A、許して〜、！」

なるせちゃんは見た目という凶器で私を攻撃してくる。
まふくんは料理で対抗する。…くっ、私のお腹が鳴ってしまう…！
見ないうちにドンドン上手くなっていっている。

「……わかった、わかった…！許すよ、許すから…！！」

こちらを見つめる花ちゃんの目線に何か嫌なものを感じ、ススッと距離をとる。
これって、夢小説とかではカッターキャーがいきなりあるんだろうけれど。

…………さすがに、ないよね。

まふくんに出された料理を平らげながら、不吉な予感を感じとっていた。

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