【浦島坂田船】ある船の専属絵師さんは腐女子だったようで…！？

「ねぇ、うらさん、どうするん…？？」「…」「…って、寝てる！？」「…」「………()」 ページ34

「志麻くん、？？」

しゃがみこむのはいいけど…。
注目集めるから人気のないとこに行こうか。

それとも、体調悪い…？
私が早くからつれ回したから…。
ぐるぐると思考がネガティブな方へ。

「だ、大丈夫やよ！悶えてただけ！！」

いきなり立ち上がると、そう微笑んで彼処の喫茶でも行こうか、と手を引かれる。

元気そうでよかったけど…、




「ふぅ…！！楽しかったね、！」

「せやな、俺もハマりそうやわ…、かえってアニメ借りよ、」

すっかり舞台を満喫して、帰り道。

志麻くんもどっぷりハマったみたいで二人、余韻が覚めずに語りまくる。

一応、深夜なので声は小さめに。

「よかった、…チケット頑張ってとった甲斐があったわ。」

そう微笑んだ志麻くん。
そうだ…まだお礼言ってないや。

「うん、ありがとう！チケットとってくれて、すごく楽しかった…！」

これは、記憶に刻んどこう。一生忘れないように。
でも、多分…これからもっと楽しいことがあるんだと思う。

「な、フユカちゃん、」

「ん、？なぁに？」

「この思い出、写真に残しとこうや、」

そうスマホのカメラを起動させる。
いつもは嫌がるけれど…。

「うん、！そうだね、」

彼の胸に飛びこみ、思いきり笑顔でピースを決めた。


撮った写真を後日見ると、志麻くんはカメラを向いてないし、表情が驚きで溢れていて、ちょっとかっこ悪いけれど。

それも、思い出だよね。





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