ボタンが19こ ページ22
『〜♪』
Aはその晩とてもご機嫌だった。
自分で縫ったエプロンを着て台所に立つ姿を、中也はダイニングテーブルから眺めている。
中(Aが妻だったら…)
ぼーっとした頭でふとそんなことを考える。
中(いやいや何考えてんだよ俺!!しっかりしろ中原中也!!)
ぶんぶんと頭を横に振って妄想を消す。
中「酒飲んでもいいか?」
『ダメって云っても飲みますよね?』
中「まァな」
中也はワインセラーからお気に入りの1本を取り出すと、グラスに少し注ぎ香りを楽しむ。
中也師匠、幸せそう…とAは微笑みながら皿を片付けていた。
数分後。
中「A…うっく…」
もう酔っているのかとAは呆れながら返事をした。
中「太宰の野郎に何された」
『ふぇえっ!?』
中「何かあったんだろ、答えろよ」
『……云えません…』
中也はガタンと音を立てて席を立ち、Aに近寄った。
『ってちょっと!何でこっちに来るんですか!?』
グッと音を立ててグラスに残っていたワインを一気に飲み干す。
中「倍にしてやってやる」
『な、何のこt……っ』
ワインの香りのする口をAの小さな口に付けた。
そして徐々に深くなっていき、何度も何度も繰り返した。
流石に息苦しくなったAは中也をなんとか引き剥がし、全身で呼吸をした。
『ななな何するんですかっ!私まだ未成年ですよ!?』
中「わかんないのかよ」
『はァ!?』
中「好きなんだよ」
『っ…!?』
中「好きだから太宰の野郎に取られたくねぇんだよ、」
わかったかと自分の髪をぐしゃぐしゃと掻いた。
『…酔うの早すぎますよ、師匠』
中「酔ってねぇよ」
『じゃあ寝言が大きすぎです。
明日は一緒にお買い物してくださる約束でしょう?
ちゃんとベッドで寝てくださ…ってちょっ!?』
中也はAを抱き上げると普段自分が使っているベッドに放り投げた。
『い、痛いじゃないですか!』
急いでベッドから降りようとするA。
そんなAの腕をパシッと掴む中也。
中「何処行くんだよ」
『自分のお布団です!』
行かせねぇと強引に腕を引っ張り、抱き寄せた。
中「早く寝るぞ…」
1分も経たない内にすやすやと寝息が聞こえる。
『…師匠の莫迦。』
ゆっくりと中也の体に腕を回し、真っ赤になった顔を中也の胸で隠すようにして目を閉じた。
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あーやんの向日葵畑(プロフ) - 芳香剤で飲んでたお茶を漫画の如く吹きました(笑) 面白いですね(笑) (2019年3月7日 20時) (レス) id: 6889ca0c35 (このIDを非表示/違反報告)
檸檬飴(プロフ) - 凰朧月鬼華さん» 女の子です!わかりにくくてすみません^^;ページ32をご参照ください♪ (2016年7月19日 14時) (レス) id: 91a4ca923b (このIDを非表示/違反報告)
凰朧月鬼華(プロフ) - 之って、男主ですか? (2016年7月19日 9時) (レス) id: 6873cb50aa (このIDを非表示/違反報告)
檸檬飴(プロフ) - つぶさん» コメントありがとうございます!嫉妬する中也ちゃんが書きたくてつい…ヽ(*´∀`)ノ私も言われたいです… (2016年7月11日 21時) (レス) id: 91a4ca923b (このIDを非表示/違反報告)
つぶ - 中也さん寝言すごい(≧∇≦)私も言われたいです (2016年7月11日 20時) (レス) id: c508c29f4e (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:檸檬飴 | 作者ホームページ:http://remondream.blog.fc2.com/
作成日時:2016年7月7日 15時