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ああ、思った通り。やっと拙者のことを好きだ、という自覚がついてくれたのだ。
あんず殿と付き合うはずもないのに。彼女はただの利用対象に過ぎないなんてことに、A殿は気付かないのだ。
困った顔を取り繕う。
彼女の顔をちら、と盗み見れば、真っ黒な瞳の奥できら、と一縷の光が煌めいていた。
──その光に戸惑いを覚えた次の瞬間、彼女の手は拙者の首を絞めていた。
｢忍くん、苦しい？ねえ、苦しいかな？｣
｢あ……っ、がはっ、ｹﾞﾎｯ、げほ……｣
｢苦しそうだね、でもそんな忍くんもとっても可愛くて好きだな｣
突然のことに戸惑って咳き込むも、彼女の愛情表現に思わず頬が緩みそうになる。
拙者のことを、まさかここまで愛してくれていたなんて、正直予想外だったでござるけど。
もっと彼女の真意を引き出したい。もっと彼女の心を奥深くまで覗いてみたい。
そんな心から、演技を続けた。
｢…かはｯ、A殿、こんなこと、もうやめるでござる…！
こんなの、A殿が罪を被るだけでござるよ…!!｣
｢アは、忍くんまだ分かってくれてないんだね。私が何でこんなことしてるか…｣
そんなこととっくに分かってる。そう望んだのは拙者なのだから。
声の出せない拙者を置いて、彼女は話を続ける。
｢別に分かんなくてもいいよ。
分からないまま、ずっと死ぬまでここで私と一緒。それもよくない？｣
ぽろぽろと生理的な涙が溢れる。
彼女のくれる息苦しさが、あまりに恋しい。
｢優しいね、忍くん。こんな状況でもみんなのこと考えてあげてて。
でも私さ、忍くんのそういうとこ大嫌い｣
手の力が強まり、彼女をより多く感じる。
…ああ、そろそろ拙者からも想いを伝えねば。
彼女にまだ、面と向かって愛を伝えられていないのだから。
｢…拙者は、A殿のこと、ずっと、想っていたでござる、よ…
…だから、もう、こんなこと、やめて…欲しいでござる……｣
｢嘘つき。そんなこと微塵も思ってないくせに｣
そう、これは嘘。
このまま、彼女に絞め殺されるなら、それも素敵だと考えてやめられない。
｢あのね、忍くん。私が一番悲しいのは、君があんずちゃんと付き合ったことじゃないの。
私が嫌なのは、君が私に優しくすること。
これ以上期待なんてしたくないの、辛い思いばっかりしたくない！｣
大きな声に少し驚く。
彼女はそれほど、自分を愛してくれていたのだ。
そんなに深く拙者を好きで、一つ一つの言動に傷ついていたのだ！
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愛が止まらない人(プロフ) - 文学兎(三代目アカ)さん» コメントありがとうございます！書いていらしたんですか…是非見てみたいです。需要があると言って頂けて嬉しいです！時間が出来次第、作ってみようと思います！ (2019年8月23日 8時) (
レス) id: 9082f6abc2 (このIDを非表示/違反報告)
文学兎(三代目アカ) - 長文失礼いたしました。 (2019年8月22日 23時) (レス) id: 20bbbeb26f (このIDを非表示/違反報告)
文学兎(三代目アカ) - 愛が止まらない人さん» 初めまして、文学兎です！私は昔、文アルの○○してみたを書いて居ました。結果、反響は大きかった事を覚えています！需要は、とてもある事だと思いますので、貴方様の○○やってみたが私は見てみたいです。 (2019年8月22日 23時) (レス) id: 20bbbeb26f (このIDを非表示/違反報告)
愛が止まらない人(プロフ) - 零さん» こんばんは！(？)最高だなん言っていただいてありがとうございます！忍くんside頑張ります！ (2019年3月29日 9時) (レス) id: 9082f6abc2 (このIDを非表示/違反報告)
零(プロフ) - こんばんは…(？)初めまして！小説、読ませていただきました！忍君…！( ☆∀☆)依存の蜜、最高でしたwできれば忍君sideを書いていただきたいです(´･ω･｀)無茶なこと言ってすみません(｀；ω；´) (2019年3月29日 3時) (レス) id: 87136d049a (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：愛が止まらない人 | 作者ホームページ：http://uranai.nosv.org/my.php
作成日時：2018年6月26日 21時
