4.5・依存の毒 ページ16
忍くんsideになります！
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最初はただ、あの人を独占したかった。
こんな何の取り柄もない拙者を可愛いと誉めてくれて、歌も躍りも、評価してくれた。
｢忍くん、楽しそうに踊ってるね！笑顔もちゃんと欠かすことないし、めちゃめちゃいいと思う！｣
ユニット練習の時、そう言ってスポドリを差し出してきた彼女の笑顔が忘れられない。
流星イエローとして憧れていた、闇の中に射す一筋の光。拙者にとってそれは、紛れもない、A殿だったのだ。
それなのに、どうして？
どうしてクラスメイトの彼とそんなに楽しそうに話す？どうして彼のことを誉める？
ずるい。彼女が認めていいのは拙者のことだけなのに。
｢…こんなこと絶対、許しちゃいけないでござるよ｣
だって彼女は拙者のものだから。
拙者のために生きて、拙者のことで喜んでくれて、その笑顔は拙者だけに見せてくれればいい。
──たったそれだけ。
ほんの少しの欲は、拙者の身体を突き動かし。
気づけば彼女と関わった人皆、拙者のことを怯えた瞳で見つめるようになっていた。
あとはA殿にこっちを向いてもらうだけ。
それだけで、拙者とA殿は結ばれる！
もう、邪魔なんて誰にもさせないでござる！
そうして、拙者はある作戦を立てた。
あんず殿と親しくなったふりをし、A殿と著しく距離を置けば、彼女は傷ついて、拙者に縋ってくれるはずなのでござる。
…正直、A殿以外の女性と親しくするなんて、反吐が出そうだけれど。
それでも、A殿がこちらを向いてくれるなら、そんな問題些細なことにすぎない！
そう考えて、拙者はあんず殿にくっついて回るようにした。A殿のことは出来るだけ忘れたふりをして、精一杯の傷を与える。
予想通りA殿は可愛らしい顔を苦痛に歪めて、拙者の方へ伸ばした手は虚しく空を切った。
嗚呼、何て可哀想なA殿。
それでいて、何て単純なんだろう。
全てが自分の思い通りに行ったことに、不安さえ感じるほど、拙者の企みに気づかぬままA殿は泣きそうな顔をしていた。
彼女がその後どんな行動に出るかが、一番の楽しみだった。
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それから数日後、A殿は泣き腫らした顔のまま拙者を呼び出した。
玉のような涙をポロポロ溢すA殿は、まるで彫刻のように美しかった。
高揚感を押さえ付けて、彼女を懸命に宥める、ふりをする。
そうすれば彼女は、｢別れてほしい｣と願いを口にするのだ。
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愛が止まらない人(プロフ) - 文学兎(三代目アカ)さん» コメントありがとうございます！書いていらしたんですか…是非見てみたいです。需要があると言って頂けて嬉しいです！時間が出来次第、作ってみようと思います！ (2019年8月23日 8時) (
レス) id: 9082f6abc2 (このIDを非表示/違反報告)
文学兎(三代目アカ) - 長文失礼いたしました。 (2019年8月22日 23時) (レス) id: 20bbbeb26f (このIDを非表示/違反報告)
文学兎(三代目アカ) - 愛が止まらない人さん» 初めまして、文学兎です！私は昔、文アルの○○してみたを書いて居ました。結果、反響は大きかった事を覚えています！需要は、とてもある事だと思いますので、貴方様の○○やってみたが私は見てみたいです。 (2019年8月22日 23時) (レス) id: 20bbbeb26f (このIDを非表示/違反報告)
愛が止まらない人(プロフ) - 零さん» こんばんは！(？)最高だなん言っていただいてありがとうございます！忍くんside頑張ります！ (2019年3月29日 9時) (レス) id: 9082f6abc2 (このIDを非表示/違反報告)
零(プロフ) - こんばんは…(？)初めまして！小説、読ませていただきました！忍君…！( ☆∀☆)依存の蜜、最高でしたwできれば忍君sideを書いていただきたいです(´･ω･｀)無茶なこと言ってすみません(｀；ω；´) (2019年3月29日 3時) (レス) id: 87136d049a (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：愛が止まらない人 | 作者ホームページ：http://uranai.nosv.org/my.php
作成日時：2018年6月26日 21時
