幸せな家族のはなし３ (ページ6)

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翔side

「翔にぃ、行こ」

「おう」

大きな袋を3つとも雅紀が抱えて行ったため、
中くらいの袋2つを智にぃが持って、
ワーワー言ってる和たちの元へ笑いながら向かう。

残された俺と潤は残りの小さな袋を
1つずつ手に取って。

それから俺と潤はふたりでのんびり
外観を見つめながら貸別荘へ。

「あ、翔にぃ。
今日の晩、何食べたい？」

「ん？今日はバーベキューだろ？
サラダ作ってくれんの？」

「翔にぃが食べてくれるならサラダも作るけど。

そうじゃなくて、バーベキューのやつ以外にも
パスタとか作ろうかなーって」

「えっ、マジ？食べたい食べたい！」

なんて出来る末っ子なんだ。

そう思うと同時に、だからこんなに
食材が入った袋が多いんだと納得する。

やばい。

潤の手料理でも特に
イタリアン系に外れないからチョー楽しみだ。

最近智にぃと晩ごはんの調理で
色々任されてるらしいし。

あ、じゃあ智にぃも何か作るのかな？

さっきめちゃくちゃデカい魚買ってたから
さばいて調理してくれるかも。

「ね、潤。パスタってどんなの？味は？」

「一応トマトとペペロンチーノの予定」

「うわっ、それ俺両方好き！美味い！」

「いやまだ作ってもないけど。笑」

「いーの！潤の料理美味いから
聞くだけでお腹減るもん」

「なにそれ。笑」

そんな冗談交じりの談笑を繰り広げながら
最後の俺と潤も貸別荘へ到着する。

車から見たときよりやはりかなり豪華に建つ
そこは周りの植物からドアや、玄関さえ広い。

お金持ち達が利用するであろうそこは
海外向けな設備なため、土足のまま中へ上がる。

中へ入れば外と見劣りしないほど広く綺麗で
一旦食材が入る袋はキッチンカウンターへと置いた。

「いやぁ、広いな……」

「うん、本当に広いね。
あっ、道具めちゃくちゃ揃ってる……！」

早速キッチンを物色し始めた潤は道具やお皿など、
想像以上の設備の良さにご機嫌に笑みを浮かべる。

だからしばらくキッチンに居るであろう潤に
声をかけて、俺はその場を離れる。

だって俺があそこにいたって
何もしないし出来ないしさ。笑

チラッと外を見れば海に繋がるビーチで
智にぃと雅紀と和が何やら楽しそうに走り回ってる。

「俺も行こっかな」

そう呟いてから、タオルを持って
智にぃ達がいるビーチへ足が向かう。

けれど、そのとき。

いきなり音もなく、背後から気配を感じた。