幸せな家族のはなし３ (ページ7)

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翔side

「ふぅ～……」

「うわぁっ？！」

気配に気付いたと同じくらいに
突然耳元へ息を吹きかけられた。

それに反射的に耳を押さえて振り向けば
予測していたようにその気配が迫り来る。

それから。

「しょーうー♪」

突然に顔は見えないまま、
名前を呼ばれて抱きしめられた。

「ちょ、苦し、いよ……っ、叔父さん！」

なかなかのパワーで回された腕に苦しくなりながら
戸惑いの中で俺はもぞもぞと動く。

そうして正体の名前を俺も呼んでやると
叔父さんは、パッと腕を解いた。

そこでようやく俺は叔父さんの姿を見つける。

背の高いしっかりとした体は白のワイシャツに
タイトな黒のパンツ。

シンプルな格好ながら物凄くよく着こなしている。

少し白髪が混じる叔父さんだけど実年齢よりも
若く見えて、程よい筋肉にスタイルもよく、
どんな時でもふんわり笑うのが印象的だ。

だから叔父さんの職場である病院では、
看護師から患者まで相当モテると聞いてはいる。

……が。

「久しぶりだなぁ、翔」

「久しぶりだけど……びっくりしたよ……」

「んははっ、なら大成功だな？
ほら、元気にしてたかー？しょーうーっ！」

「ぐえっ！」

「あっ、ちょっと痩せてないか？
ダメだぞ、食べなきゃ。ほら、可愛いリスになれ！」

……と、こんな感じに、俺達の前では
まぁ女性が見惚れるというモテ要素は無くなる。

ってか、ほっぺた伸ばさないで叔父さん……！

「もっ……しゃ、しゃろにぃー！」

「ふはっ、可愛いなぁー、うりうり♪」

「んぶっ！んー！」

思わず智にぃに助けを求めようと
ビーチへ顔を向けるも、頬を押されたり
引っ張られたりとなかなか上手く話せない。

叔父さん、会う度になんか強くなってない？！

昔から力は強かったけど
まだ今も劣ってる感じがしないんだけど！