幸せな家族のはなし３ (ページ24)

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［６－２］ページ24

和也side

「お～、ナイスタイミング」

聴診器をぶーらぶらさせながら
叔父さんが2階から降りてきた。

そのまま手招きされて、近くの椅子へ座る。

「ちゃんと横になってたか？」

「うん」

「ゲームも1回だけだな？」

「ちゃんと守ったよ。ね、潤？」

「ん。すぐ終わったよ。
和、ほんとめちゃめちゃ強いの」

「ふははっ、そーかそーか。笑」

叔父さんは俺たちの話に笑いながら
聴診器を服の中へ入れる。

それから胸、背中の心音を聞いて、
終わったら下瞼の裏を見てもらって。

「それで、俺と潤のコンビネーション技で
翔にぃと雅紀にぃをボッコボコ。笑」

「あれは凄かったよな。
全部圧勝だったもん。笑」

「うへぇ～、お前ら容赦ないな！」

以前あった出来事を話して盛り上がっていれば
あっという間に終わる診察。

相変わらず叔父さんの診察は手早い上に
変なストレスもなくて大人･子供関係なく上手い。

凄いでしょ？

大人はまだしも子供もなんだもん。
小児科に担当持ってたことないのにだよ？

「うし、OK」

「ありがとう叔父さん」

まあ実はその話、昔ふと思い出して
叔父さんに聞いたことがあるんだけど。

「そりゃあ……あんなバージョン豊富な
チビ6人も診てればさすがに、な。笑」

なんて困ったように笑って
濁されながら言われたんだよね。笑

「叔父さーん！終わった？」

「おっ、雅紀。おう！和も大丈夫だぞ！」

「やった！」

診察が終わってほんの少し3人で談笑してれば
聞こえてくるハイテンションな声。

そして抱えるように持っているのは3つの袋。

「みんな、海辺行くよっ！」

「え、なんで？」

「ふふふっ♪
そぉーれぇーはぁー……」

俺達とテンションが合っていない雅紀にぃは
楽しそうに笑い、勢いよく抱えていた
3つの袋を頭上へ掲げた。

「じゃーん！これっ！
詰め合わせ特大セット！

ってことでみんな、花火しよーう！」

ニッカリ笑った雅紀にぃは
海辺の方向を指さして俺達を誘導する。

特大セットって……
そんなにいっぱい出来ないでしょーよ。

なんて。

内心ちょっぴり思いながら、
海辺へ向かう潤の後ろを素直について行く。

「智にぃ！翔にぃ！連れてきた！」

海辺へ行けば、智にぃと翔にぃが
すでにロウソクとバケツを用意して
準備万端なご様子。

なんだ。

にぃ達もはしゃぐ気満々じゃん。笑