幸せな家族のはなし２ (ページ3)

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潤side

「岡田くん、仕事中だったかな……」

とりあえずスウェットに着替えて
応接間のソファーへ横たわる。

それからポツリと智にぃへ不安を零せば
あんまり気にしてない顔で首をかしげた。

「大丈夫なんじゃない？
電話したらすぐ行くって即答してたし」

「……それ、仕事ほっぽり出してない？」

「んー分かんない。笑
けど、岡田がいいって言ってるからいいんだよ」

「そうかな……」

「そうそう。
だから潤もしっかり休まなきゃね」

頭を優しく撫でられて、
流れるように脇の下へ体温計を入れられる。

もう熱があるのはバレてるから
俺も特に抵抗することはない。

「しんどい？」

「うん。体が重い」

「そっか。多分疲れが溜まってたんだろうね」

体温計の音が鳴るまでの間、智にぃは
ずっと俺の顔色を確かめて頭を撫でてくれる。

保健室にいたときも和にもされたけど
これやっぱちょっと恥ずかしいな。

「……あ」

「なに？」

そうだ。

あのね智にぃ。

もしかしたら和も……

家に着いて安心したからか
自然と眠気が襲って瞼が下がってくる。

あ。ダメだ寝そう。

「ふふっ。おやすみ、潤」

「ん……」

せめて体温計が鳴るまで起きてようと
思ってたけどこれじゃ無理っぽい。

智にぃの言う通り疲れがきたんだろうな。

暖かい空間の中、瞼を閉じれば
一瞬にして体の力が抜ける。

和のこと、起きたら言わなきゃ。
もし本当に体調悪かったら言わないだろうし……

結局俺はそのまま体温計の音を聞くことなく
吸い込まれるように意識を夢へと運ばれた。