幸せな家族のはなし２ (ページ2)

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潤side

「よいしょ。潤、大丈夫？」

「ん……」

カバンを持ってくれてる智にぃに
続いて俺も車から降りる。

俺は結局保健室で寝てしまってたらしい。

気づけば目の前には和じゃなく智にぃがいて、
肩を貸してもらいながら学校をあとにしてた。

「潤、家まで歩ける？」

「あ、岡田くん。大丈夫。歩けるよ」

「いつもごめんな？岡田」

「いいよ。近いし」

運転席から窓を開けて心配してくれるのは
うちの近所に住んでてジムの経営をしてる岡田くん。

智にぃと高校の同期かなんかで仲が良く
よく遊びに行ったり、家に来たり行ったり、
こうして送迎してくれることも多々ある。

うちは翔にぃと雅紀にぃしか免許持ってないから。

しかもふたりとも通勤は徒歩だったり
自転車、電車だったりと車を使わない。

使うとすれば家族全員で出かけるときか
翔にぃが遠方の生徒の家へ行くときくらいだ。

だから今日みたいな早退とか緊急時、
家で仕事してる智にぃが動きやすいんだけど
如何せん免許を持ってないから少々不便。

そんな時に岡田くんが車を出してくれる。

幸い、岡田くんは俺達のことを昔から
可愛がってくれてるから快く引き受けてくれるしね。

本当に優しい人なんだ。

「じゃあ俺はこれで。
しっかり休めよ」

「うん。ありがとう」

「また埋め合わせするわ」

岡田くんは爽やかに笑ったあと
颯爽と車を走らせて行く。

それを見送って俺は智にぃと家の中へ入った。