【文スト】観光？いえ、復讐です

二十八．理由 ページ29

『くそっ！！』

主の部屋から大声が聞こえた

俺は少し戸を開けて中を覗く

何時もの冷静な主ではない

ル「ある_______」

ア「しー……」

ジ「今はやめなよ」

アランとジャンがそう云って俺が話しかけるのを止める

ル「だって主が、冷静じゃなかったらちゃんと注意しろってジイドに云われた」

ア「そりゃお前がこの中じゃ付き合いが長いかもしれないけど執事なら察しろ」

俺は主の為に資格を取った

全部主の為に

なのにこういう時になんで俺は話せないの？

ジ「ルールタビーユは容赦ないからだよ……今の主は、ダメだから」

そう云ってジャンは俺の服の袖を引っ張る

ル「なに、アンタら罪悪感があるんだ」

そう云えば二人とも動揺した

ル「あんなの慣れっこでしょ？」

ア「……まあ、な」

ジ「そりゃそうだけど……ないの？罪悪感」

そう云われても

ル「俺は主の判断なら罪悪感なんかない」

ア「……そうだね、君はそうだったよ」

そう云って悲しげに笑う

そう、俺は主が納得するなら何でもする

でも……

ル「今の主は、納得してない。でも俺は判らない……」

そう云えば二人は目を合わせてから何故か笑った

ア「そう言うことか、なら同じじゃないか」

ル「同じ？」

ジ「僕たちも同じ事を考えてるんです。普通の僕らなら全く気にせずに政府に従えます。今回の理由は簡単ですよ________」

と、ジャンが何か言おうとすると珍しくモーリヤックが部屋から出て来た

モ「お、いたいた。一寸頼まれてくれないか、明日」

ル「別に良いけど」

そう云ってから主の部屋をもう一度見る

主は俺たちに背を向けてる

それでも判る、怒ってる

俺にできる事……ないかな

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