十七.私の目的 ページ18
『それでは此処で』
私がそう云えば太宰さんは頷いて手を振る
私は会釈だけして路地裏に回る
ル「主、彼奴と間接キスしたよね」
待ち構えていたルールタビーユがそう云って私を見る
ずっと視線を感じていたから何と無く察していたけど
『あまりそう云うのしていたら嫌いになりますよ。それに私がその程度でときめくとでも?』
そう云って彼の肩に手を置き微笑む
ル「思わない、それと嫌いにならないで」
強請るようにそう云うルールタビーユ
『ふふ、判ったのなら良いですよ。では頼みましたよ』
そう云って目を瞑ると
ル「ついたよ」
そう云われて目を開く
先刻の路地裏ではなく美しい我が屋敷
此処はヨコハマではない
私はまっすぐ歩き左手にあるドアをノックする
『モーリヤック!起きなさい』
そう云えば出て来たのは色気の“い”の字もない奴
モ「なに……仕事?」
『仕事じゃ無くてももうお昼ですよ。起きてください』
外に出ればしっかりしているのに屋敷では全く頼りない
モ「ああ……怒ってる?料理作るから許してよ」
そう云われて渋々頷く
『所で……もう一人は見つかった?』
モ「いや……ツテを頼ってみたけどダメだった。もしかしたら異能特務課の人間かもしれないな」
そう云いながらもう一枚写真を見せる
S・ODAと刻まれた墓石だった
『……織田作之助……此奴は、死んでるのね』
モ「ああ、同時に死んだらしい」
そう云われても太宰に同情しなかった
『同じ気持ちか……太宰も』
そう云って仮面を外す
モ「……なあ、武装探偵社には外傷を治す異能者がいるらしいぞ」
『なんだ、私の顔がそんなに見ていられないか!この傷が!』
そう云ってから目を逸らす
『……いや、わかってる。自分でも。でもこれは私へ神がくれた、守りなのだよ。この醜い顔は』
そう云って仮面をつけ直し背を向ける
『……引き続き頼みます』
モ「
『……また口説きですか?』
モ「いいや、その傷が無かったらいいオペラ歌手だっただろうと云う意味だよ」
そう云われて私はただ黙って背を向けたまま
もう諦めた夢を、思い出しそうになっていた
『……今は復讐です』
そう云って自分の部屋へ向かった
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リュカ(プロフ) - ミレーさん» いえいえ!それは良かったです!続編に行くのでそちらも見えくださいね〜今年もよろしくお願いしますね (2020年1月2日 17時) (レス) id: 5c04ab9136 (このIDを非表示/違反報告)
ミレー - リュカさん» お返事ありがとうございます(〃ω〃) 今回も面白かったです(*^□^*) 今年も更新頑張って下さい(´∀`) (2020年1月2日 17時) (携帯から) (レス) id: a496965e6a (このIDを非表示/違反報告)
リュカ(プロフ) - ミレーさん» ありがとうございます!お楽しみに!ええ、アルバイトですけどねw楽しそうですよね〜 (2020年1月1日 15時) (レス) id: 5c04ab9136 (このIDを非表示/違反報告)
ミレー - 夢主ちゃんうずまきで働く事になったんですね(*^□^*) 皆が楽しそうで良かったです(*^□^*) (2019年12月30日 21時) (携帯から) (レス) id: a496965e6a (このIDを非表示/違反報告)
ミレー - リュカさん» 続編楽しみに待ってます(*^□^*) 太宰治様オチも楽しみです(●^o^●) (2019年12月29日 22時) (携帯から) (レス) id: a496965e6a (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:リュカ | 作成日時:2019年12月20日 17時