【文スト】観光？いえ、復讐です

十一．不安 ページ12

太「敦君！国木田君が_______」









「軽い捻挫です。ですがあまり無理をなさらないように」

病院に連れて行くとそう云われた

今は敦君と鏡花ちゃんに湿布などを買いに行ってもらっている

正直捻挫だと聞いてホッとした

国「慌てないでも良かったのに」

そう言われると確かにそうだ

何時もの私ならもっと冷静に考えれる

なら何故考えられなかったのだろうか

太「……少し不安になったようだ」

国「お前がか？」

太「失礼だね、私も人間だよ？」

そう云って自動販売機で珈琲を買って渡す

太「何故だろうね」

理由はなんとなく判っている

オペラ座の怪人の言葉だ

きっと私の過去を指している

……ポートマフィアの時

だが、何故今頃になって？

敦「買ってきましたよ〜」

敦君と鏡花ちゃんがそう云ってビニール袋を見せる

太「行こうか」

国「ああ」

手を貸して立ち上がらせる

私が国木田君が死ぬかもしれないと思った時に出た感情

“憎しみ”、“怒り”、“悲しみ”……

どの感情が罪なのだろうか

まあ、どれにしてもあまりよくない

太「なんとかしなくては」

あの軍警の少年のような被害者が消えてしまう

あの時私はオペラ座の怪人を捕まえれたはずだ

なのに目先の仲間を優先した

手を伸ばせばあの軍警の少年は助かっていたかもしれない

国「そう言えば、軍警の奴は何処へ……」

太「あ！あんな所に君の理想の女性が！」

国「何ィ！？」

嘘に簡単に騙されて……面白いな

そう思いながら私は少し歩く速度を早めた

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