【文スト】観光？いえ、復讐です

十．迷宮 ページ11

太「っ、国木田君！」

大量の木箱の山に国木田君が私を庇い巻き込まれた

太「今助ける」

そう云って木箱を持ち上げるが中に荷物が入ってるのか重い

敦「太宰さん！国木田さん！大丈夫ですか！？」

敦君に声が聞こえる

太「国木田君が荷物の下敷きだ。恐らく空間が空いているがもしかしたら怪我をしたかもしれない」

そう云いながら最後の荷物を除けると国木田君が苦しげに足を抑える

太「足か……」

狙ったのかは判らないが誰かが一瞬で荷物を此処へ転移させた

オペラ座の怪人と云うのは空間異能者か？

そう思いながら軍警の子を探すが一向に見つからない

嫌な予感がする

背後を見ると

？「……これも改良しなければな」

そう云って黒い外套羽織った人物が軍警の子の髪を掴んでいた

太「君は」

？「はは、皆が云う“オペラ座の怪人”は私の事だよ。この子は一週間前の被害者。ある感情の仮面をつけて操っていたけど思ったより役には立ったな」

そう云った瞬間、軍警の子から仮面が浮き出た

此方を憎らしげに見る表情は本当の人のよう

そしてそれをオペラ座の怪人が手に取った瞬間

人影が消えた

あの軍警の少年は消えてしまった

？「ふふ、面白い表情だ。お前の罪はその感情だ。覚えておくといい」

罪？感情？一体何を云っているのだろうか

そう訊こうとした瞬間後ろから敦君達の声が聞こえ一瞬目を離した隙に

オペラ座の怪人は消えてしまった

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