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ガガガガい ゲン編2孤独と幸せ ページ24

1時間前、不意に病室のドアが開いて、会社の後輩である青木瑠奈が来た。

小柄な彼女はいつものように大きなリュックを背負い、僕の方へ駆け寄った。
病室の外は暗く、おそらく仕事終わりにここへ来たのだろう。


「大川さん、青木です、わかりますか?」


いつもは無邪気な彼女の神妙な面持ちに、僕は


「大袈裟だよ」


と笑ってしまった。


「だって、お医者さんが記憶に障害があるかも、とか言うんですもん」


いつものような顔に戻って、青木は病室の椅子に座った。


「でも私、本当に心配してるんですよ?最近の大川さんおかしいじゃないですか。」


「え?どこが?」


「最近彼女さんと別れたんですよね?それに、大事な書類もシュレッダーにかけちゃうし、二日酔いで会社来るし、極め付けに今日なんか事故に遭って…」


「彼女?」


「言ってたじゃないですか!たしか、二日前くらい。」


「彼女…?そんなこと言ったかなー、言ったとしたら多分冗談だよ、それ。」


「どんな流れでそんな冗談言うんですか!」


病院で出すような声量じゃない彼女のツッコミに元気付けられ、僕はしばらくずっと笑顔だった。


彼女が病室を去ってから、一人の時間が妙に辛く感じている。
外の景色なんて見ていると尚更辛くなりそうだから、さっき来た看護師さんにカーテンを閉め切ってもらった。
僕の足には何重にも包帯が巻かれていて、今は自分一人で身動きがとれない。
そういえば、カバンの中にスマートフォンが入っているはずだが、それも看護師にとって貰えばよかった。





2日後、やっと退院して久しぶりの出勤。まだ松葉杖を着きながらだが、人との交流が好きな僕にとって嬉しいことだ。

「おう大川、久しぶりだな」

上司の木下孝雄が笑顔で迎えてくれた。

「大川さん、杖大変そうね」

「なんか困ったことあったらなんでも言えよ」

今日は優しい言葉をかけてくれる人が多い。僕自身も終始笑顔のまま、仕事は終わった。



「大川、今日久しぶりに飲みにいくか?」

オフィスを出るエレベーターの中で、木下さんから誘いを受けた。

「え?大丈夫なんですか?大川さん松葉杖だから…」

「あ、僕は全然大丈夫です、あんまり遠くない所なら。」

正直言ったところ、僕も久し振りに飲みに行きたいと思っていたところだった。

「それ、私も行っていいですか?」

エレベーターから出て、背後から青木の声がした。

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川川わらび - 暁さん、コメントありがとうございます!そう言っていただけたのは初めてなので、大変嬉しい思いです。更新ペースはあまり良くないかもしれませんが、気が向いた時にいつでも読んで頂ければと思います! (2020年11月3日 13時) (レス) id: c7e5b74a91 (このIDを非表示/違反報告)
(プロフ) - 是非いつか合作など、一緒にして頂きたいものです。貴方の様な作者様の作品が、有名になられることを願います。頑張って下さい! (2020年11月3日 9時) (レス) id: 8896c28c37 (このIDを非表示/違反報告)
(プロフ) - 私も最近占ツクで書き始めた者なのですけれど、ここまで小説に寄せられている作品を見るのは久しぶりです。これからの活躍を期待して、お気に入り登録と、高評価の方、押させて頂きました。 (2020年11月3日 9時) (レス) id: 8896c28c37 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:川川わらび | 作成日時:2020年10月31日 0時

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