百十一話「助けたいから」 ページ25
「ついた」
足の痛みに堪えながら何とか国木田の元へたどり着く。
そして次の瞬間聞こえてくる、先程のもとのとは比になら無いくらいの爆発音。
爆風がここまでも伝わってくる。
「お兄ちゃん……」
気付けは鏡花の手を離して、敦のもとへ向かっていた。
国木田の制止の声など気にも止めず少女はかける。
そして敦は今、芥川と戦っていた。
空中で、ボロボロになりながらも。
これはきっと、
「……虎の力」
雄叫びと共に敦は芥川の顔を殴る。
空間断絶を破り、拳にありったけの力を込める。
芥川は吹き飛ばされ、其のまま海に落ちた。
「危ない！」
敦が落ちる。
Aは足が痛いのも忘れ、異能力で自身を浮かし、敦を抱きとめる。
そして着地。
「痛ッ……」
明らかな痛みが襲う。
これは捻挫じゃない、骨折だったのだ。
脆すぎると自分に失望しながらも、体が崩れてくる。
床に体を伏せ、動かない。
「いた…」
「君は……おねがい！お兄ちゃんを国木田さんのところへ」
そこにいたのは鏡花だった。
もうすぐ船も沈む。
考えている暇はなかった。
「その足……」
「いいから！早く」
先程吹き飛ばされた時、自分の足に破片が刺さっていることにAは気付かなかった。
骨折に出血、足からはドクドクと血が流れている。
かなりの重症に気付くこと無くAは走っていた。
そして鏡花は敦を受けとると躊躇いながらも国木田の元へ向かった。
「良かった……これでみんな助かる」
体から力が抜け、徐々に意識も薄れる。
白黒と視界がぼやけ、気付けば意識を失っていた。
『何が「みんな助かる」よ。
自分のことカウントしなかったら意味無いじゃない』
そこに現れる黒い靄。
何処か聞いたことのある声がした。
『はあ……仕方ない。
今回ばかりはサービスして助けてあげなきゃ』
そういうと靄はAを持ち上げ、国木田の元へと向かう。
そして海を走る小型船へAを置く。
「やっと戻ったか。
娘が「彼女はあとで必ず来る」と云っていたが、遅すぎるのも問題だ。
少しは自分の事を………A？」
Aが戻ってきたと思いお小言を述べる国木田はふと不思議に思う。
後ろを振り替えると、Aはすやすやと寝息をたてて寝ていた。
じゃあ、どうやってここまで来たのだろうか。
それを知るのはまだ先の話。
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+アリス+(プロフ) - かにかまさん» 塩対応能力(笑)ですね。妹ちゃんは太宰さんを塩対応すればするほど良いと(個人的に)思ってるので(寧ろ敦くんには天使スマイル向けてほしいです) (2018年10月24日 19時) (
レス) id: 87d894de71 (このIDを非表示/違反報告)
かにかま(プロフ) - 塩対応能力w (2018年10月23日 20時) (レス) id: 723d39c3a6 (このIDを非表示/違反報告)
+アリス+(プロフ) - 紅華さん» すみません間違えていました。誤字の指摘、本当にありがとうございます。申し訳ありませんでした (2018年9月30日 23時) (レス) id: 87d894de71 (このIDを非表示/違反報告)
紅華(プロフ) - あの公開ではなくて後悔ではないのですか？ (2018年9月30日 23時) (レス) id: 1bdfb279a8 (このIDを非表示/違反報告)
+アリス+(プロフ) - 緑谷みとかさん» はい、では早速紹介させていただきます！ (2018年8月14日 10時) (レス) id: 87d894de71 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：+アリス+ | 作成日時：2018年7月18日 20時
