【文スト】これよりデスゲームを始めます。【序章】

十九話【合流】 ページ20

現れたのは一時間前にはぐれた太宰だった。
Aと鏡花は安堵の息を漏らした。
だが他の者が居ない。
違和感を覚えたAが訊ねた。







「中原さんたちはどうしたんですか？」


「実ははぐれてしまってねえ……」


「はあ……貴方もですか……」








Aが溜め息をついた。
ただでさえトラブルが多いのに……。








「まあ合流できただけでも幸運と思いましょう」







あくまでポジティヴにAは云った。







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Aを先頭に歩くこと三十分。
まだゴールは遠く、太宰の絡みも増えてきたため更に疲れる。
気を取りなおそうと、Aは制服のポケットから迷路の全体図を取り出し確認した。






「次は此処を曲がるそうです」







カラン。
何かが落ちる音がした。
皆が足を止め、音のした方へ視線を向けた。
そこにはペンがあり、コロコロと転がって壁の隅で止まっていた。








「ペンを落としちゃいました。一寸待ってください、直ぐに拾うので」







Aが転がって行ったペンのもとに近づく。
しゃがんだ場所にある物を置き、
何事もなかったかのように鏡花達のもとへ戻った。

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