検索窓
今日:1 hit、昨日:1 hit、合計:9,846 hit

3 ページ18

.


衣更くんは頑固だった。

私が、何度もこの捜索の事を意味のない行為だと言っても、見つかるから、と返すのだ。

あぁ、可愛くない。素直に受け入れればいいのに。そしたら、こんなくだらない隠恋慕なんて終わるのに。どうせ、君がアリスを見つけることなんて、出来ないんだ。私だって、無理だ。穴に落ちた人間をどう助ければいいんだ。きっと、あの穴は深い。クレパスよりも、もっと。抜けたら不思議の国にでも繋がっているんじゃないだろうか。

「はあぁ…………衣更くんて、困った人だね」
「なんだよ、いなくなった人の事は、何としてでも見つけ出したいだろ」
「じゃぁ1人でやっててよ……」

本当に、困った人だ。衣更くんが分かるよう、大袈裟な溜息をついてやると、本人はそれを見て、何故か笑う。無駄に爽やかに、その口角をあげ、

「お前がいなきゃ、意味ねぇから、やだ。」

そんな台詞を吐いた。私はと言うと、驚いてしまって、声も出ない。今、衣更くんが何と言ったか、理解しようと、意味を探そうとする事に全力を注いでいるから、周りの音なんて耳に入ってこなかった。そんな私を見て、衣更くんは、また笑って、無意識のうちに止まっていた私の足を、手を引っ張って動かした。
ハッとなり、目の前の彼に視線を寄越すと、バッチリ目が合ってしまって、何か言おうと、口を開いたが、私が言葉を発する前に、衣更くんが紡ぐ。なんてことないような顔で、自然に言うものだから、その言葉がどれ程重大なものなのか、その時はよく分からなかった。

「てか、俺はアリスを探しに来た訳じゃねぇし、見つからなくたっていいんだよな」

キャパオーバー。元から少しごちゃごちゃしていた私の頭は、考える事をやめてしまった。それ程、意味が分からなくて、おかしな事を言った衣更くんの言葉を、理解しようともせず、機能を停止した。

一体、私達は何をしているのだろう。アリスの場所を伝える事も出来ず、本当はアリスを探そうとはせず、あぁ、全く、衣更くんは困った人だ。

4→←2


  • 金 運: ★☆☆☆☆
  • 恋愛運: ★★★☆☆
  • 健康運: ★★★★★
  • 全体運: ★★★☆☆

ラッキーカラー

あずきいろ

ラッキー方角

西 - この方角に福があるはずです

おみくじ

おみくじ結果は「末凶」でした!


目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 9.0/10 (23 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
16人がお気に入り
設定タグ:あんスタ! , 短編集 , 合作
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:桜菊兎(企画者) | 作者ホームページ:なし  
作成日時:2017年5月13日 20時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。