【伊月俊】ツボの浅い女の子。

第26話 ページ30

圭「また明日な」

貴「うん。バイバイ」

圭「受験終わったらまた行こうな」



2人で手を振ったものの、どしゃ降りの中、1歩を踏み出せない。



私達は今、2人が別れる交差点にいる。
交差点…というか、道路横の店の下で雨宿り中。

ここまでは頑張ってダッシュしたんだけど。



信号が3回目の青になった時、圭がため息をついた。

圭「濡れんの嫌やなぁ…。じゃ、行くわ」



そして勢いよく走り出す。



貴「私も行こ」



くるっと横を向き、空を見た









その時









女1「きゃぁぁぁぁぁぁっ⁉」

貴(ビクッ)

びっくりして声の方を向くと









圭が倒れていた。

貴「圭⁉」



歩き疲れて思い足を全速力で動かし、圭の元へ駆け寄る。



女1「轢…かれっ…‼」

貴「圭…‼」



なんで？

クラクションの音も

圭の声も

ぶつかった音も

なにもしなかった。

雨の音だけが五月蝿く響く。



貴「圭？聞こえる？」

圭の頬を数回叩いてみた。

貴「聞こえる？圭っ…？Aだよ…？ねぇ…」



なんで気づかなかった？

なんで音がしなかった？

なんで今日、圭と遊びに行った？



貴「け…いっ…。また…行こ…う…って。さっき…‼」

女2「もしもし‼救急車お願いします‼」



消えてしまいそうな私の声は、雨の音と女の人の声でかき消された。



圭をぎゅっと抱きしめた。
まだ、間に合う気がして。

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ラッキー食べ物

うな重

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