雑談 ページ21
「ごめんね、私も分からない……」
「そっかぁ」
残念な事に、カチュアもその女の子について心当たりはないらしかった。
もしかすると野々華さんなら分かるかもしれないけど、野々華さんは仕事で忙しいだろうし、あまり小さな事で迷惑をかけたくはなかった。
「それより華璃ちゃん、お土産はなぁに?」
「チョコシューだよ。ようかんもあるけど、どっちにする?」
「シューが良いな。飲み物ある?」
「紅茶と緑茶」
「紅茶で!」
「はーい」
あたし達はおやつが大好き。でもカチュアはシュークリームやケーキみたいな洋菓子が好きで、あたしはお団子やようかんみたいな和菓子が好き。
カチュアは幸せそうにチョコレートシュークリームを頬張っている。こぼれ落ちそうな中身を吸い上げたりもしている。
「食堂の食べ物も良いけど、やっぱり売店も良いよね」
「うん!良い意味で安っぽいというか……気軽に食べられる感じがするよね」
「そう、それ!でも売店ってbeta寮棟にしかないんだよねー。ここにもつけたら良いのに」
「だよねー。beta寮棟まで行くの地味に面倒だし」
『A-763-Gが暴走しました。付近の職員は速やかにA-763-Gを制圧してください。繰り返します。A-763-Gが暴走しました。付近の職員は速やかにA-763-Gを制圧してください』
そんな他愛もない事を駄弁っていると、アラームが聞こえた。今回は、上級職員の収集はなかった。
そういえば、久々にアラームを聞いた気がする。最後に聞いたのって、いつだったっけ?
「おーい、華璃ちゃーん。生きてるー?」
ぼんやりしていると、カチュアが呼び掛けてきた。
「生きてるよー。なぁにー?」
「これ食べたらゲームしない?いろいろ候補は決めといたから」
「良いね!どんなやつなの?」
「アクションものとファンタジー系RPG、スローライフ系かな?他には……」
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