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ジェベリアは目が覚めてはじめに、見知らぬ天井を見た。どこだろうか、ここは。
自分はどうやら、ベッドに寝かされていたらしい。質の良いベッドである。そして、どこからともなくジョンの匂いもする。ここはどうも、ジョンの家か、そうでなくともジョンがよく立ち寄る場所であるようだ。
ジェベリアは起き上がり、自身の身体に軽い倦怠感があるのに気付いた。僅かにずれていた筋繊維や骨を理想的な位置に戻す。
寝る前に何をしたかは覚えていた。しかしその行為がもたらした感覚はジェベリアの思っていたものとはかなり違っていた。てっきり腹でも裂けるのかと思っていたのだが。まあ痛みがなかっただけ良かった。むしろ非常に好ましいものですらあった。
皮膚を歪めて服を纏う。この行程にもだいぶん慣れてきた。壁の鏡で見た目を確認する。美しい女がそこにいた。ジェベリアは自身の美しさにうっとりとしていたが、すぐに部屋を出た。
廊下を壁沿いに歩いて、どうもダイニングに出たようだ。質の良い家具や調度品が置かれている。そして椅子の一つに、ジョンが座っていた。新聞を眺めている。ジェベリアが起きてきたのに気付くと、彼は挨拶をした。
「おや、おはよう天使ちゃん」
「おはようダーリン。昨日は満足できたかしら?」
「おかげさまでね」
「それは良かったわ」
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夜(プロフ) - 素晴らしいお話、ありがとうございます。楽しみに待っています (2021年7月22日 13時) (レス) id: 1f55a4bce5 (このIDを非表示/違反報告)
つーちゃん - ください (2021年7月4日 14時) (レス) id: 84f4461b32 (このIDを非表示/違反報告)
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