リクエスト【ＶＥＲシアン空団】

番外編〜レイナとアホ四人組〜 ページ18

「もう、また怪我したの？！」

　三日後、ルークはまたレイナの世話になる事になってしまった。けれど、前回とは違う事がある。それは……。

「フォビア、ジャック、君達まで？！」

「面目ないワ、ごめんなさいネ」

「お許しください……」

　削りきれなかった魔物が襲いかかってくるだなんて、予想してなかったのよ。いやぁ、痛いわー。こんなに痛い思いをしたの、いつぶりかしら？

　まったくもう、とレイナは戸棚から消毒液を取り出す。栓を開けて、中身を綿に浸して、ピンセットでつまむ。染みこんだ薬液が、したたる。それが傷口に押し当てられる。痛い！何これ、めっちゃ痛い！どうしてこんなに痛いのよ？！

　悲鳴を上げなかっただけ褒めてほしいわ。歯を食いしばって唇を噛んで、ようやく耐える。しかしレイナは大量の薬液を容赦なくぶち込んできた。

「痛いワネ」

「戦闘なのに油断してたからでしょ？」

　イクザクトリー。言い返す事もできません。

「はい、次はジャックよ」

　プルプルと震えるジャックを尻目に、レイナはいそいそと準備をする。アタシはその横顔をぼんやり眺めていた。

　治療は痛いけど、彼女には感謝している。人のためを思って行動できるって、本当にすごい事だと思うから。ありがとうって言いたいけど、少し恥ずかしい。いつか伝えられたら良いなと思った。

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