さよならの香り (ページ10)

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「Aちゃーん！」

「お前声でか」

笑いながらミンギュくんの肩を叩くスニョンくん
苦笑いしながら手を振って2人に近づいた

「わざわざお越しいただきどうも」

「ていうかさっきAちゃん気付いてたでしょー。声かけてよ」

拗ねたフリして口を尖らせてるミンギュくん

「声かけようとしたけど2人がモテるから割ってはいるのもどうかと思って」

モテてないよと言いつつ満更でもなさそうなスニョンくん
ちゃっかり連絡先交換してるの私は見逃しませんでしたよ

「俺らこの辺わからないから、Aちゃん案内よろしく」

じゃあこちらでーすって2人をいつも行く居酒屋に連れて行った

店内は夕方過ぎなのに仕事終わりのサラリーマン達で賑わっている
3人ですって言ったら半個室みたいなところに通された

「2人とも好き嫌いある？ないね？オッケー」

席に座っておしぼりを渡してきた店員さんにお酒と適当に料理を頼んだ

「じゃー乾杯！」

喉の奥にお酒を流し込む
あー最高、このために仕事頑張ってるようなものだ

2人で進めてた企画をスニョンくんに説明しながら3人で案を出していく
話もだいぶまとまりお酒がいい感じに回ってきた頃、何故か恋バナに

「Aちゃんきいて、こいつモテる癖になんで彼女できないんだと思う？」

「うーんミンギュくんはできないっていうより作らないんじゃない？」

やー2人とも酷くない？って笑いながらどこか寂しそうだけど熱を含んだ瞳をしているミンギュくんと目が合った…けどすぐ逸らされる

さっきの目はよくジフナが幼馴染みのユナちゃんに向けてる時のと全く同じでドキリと心臓が跳ね上がる

「でもミンギュは好きな子居ると思うんだよね、A助手どう思うかな？」

「スニョン探偵、私には解りかねます。」

「ヤー2人で探偵ごっこ始めるな～。正解は……CMの後！」

お前もノリノリじゃんって笑いながら、俺トイレ行ってくる～とスニョンくんは席を立った

まあ確かにミンギュくんの浮ついた話は聞いた事ない
ちょっと気になるかも

「本当にいないの？好きな子」

「…」

やば、地雷踏んだ？
恐る恐るミンギュくんの方を見る

あ…またジフナと同じ目…

今度はジッと見つめられて逸らさなきゃって思うのに何故だか逸せない

2人の間に沈黙の時間が続く

もう無理！耐えられない！
そう思った時、やっとミンギュくんが口を開いた

「…Aちゃんはさ、好きな人に恋人とか好きな人が居ても諦めないタイプ？」

「えっ………」