嘘つき ページ11
想像の斜め上を突いてくる質問に私は何も返せなかった
まるでミンギュくんは私のこれまで
2年間全てを見透かしたように感じて怖くなる
「……私は、私だったらどうするんだろう」
以前までなら好きな人に恋人が居ないなら
相手の気持ちなど関係ないと思っていた
私に振り向かせればいい、と
どれだけ考えただろう
考えれば考えるほど分からなくなってくる
正直ミンギュくんはそんなに深く考えて質問をしてないかもしれないというのに
俯いたままでいるとスニョンくんが戻ってきた
「いや〜席迷っちゃった…ってどした?」
「昔飼ってた猫の話してたら悲しくなっちゃって…」
察されたくなくて飼ってたこともない架空のペットの話を咄嗟にする
「そうなんだ、あー俺抜けてもいいかな?ちょっと用事できちゃって」
正直ミンギュくんと今2人は気まずいけど
引き止める理由もないのでわかったまた会社で、と挨拶した
「私ちょっとお手洗い行ってくるね。」
「うん。」
はぁ…と息を深めに吐いたあと、リップを塗り直そうと鏡を見つめる
カチャンって扉が開く音がして反射的に鏡越しに音の方へ意識が向いた
「……あれ?Aちゃん?!ねえ!Aちゃんだよね??」
「…………ユナちゃん?」
今最も会いたくないランキング堂々1位の方と再開してしまった
たった2年しか経っていないけどなんだかユナちゃんは垢抜けていて
もともと整ってはいたけど、今は誰がどう見ても美人さんって感じ
「そうそう!え、懐かしいね!Aちゃんもこの辺住んでるの?」
「あ、うん…そう…帰ってきてたんだね。ユナちゃんもこの辺?」
「ううん、私は違うけど!えー今度飲みに行こうよ!色々お話ししたいな!」
勢いに押されて連絡先を交換してしまった
交換したらあ、そろそろ戻らなきゃじゃあねって言われて爽快とトイレから出て行くユナちゃん
呆気にとられたままトイレから戻ると
何その顔ってミンギュくんに笑われてしまった
「そろそろ帰ろっか。遅くなっちゃったし」
「そうだね、ミンギュくんも終電あるもんね」
送ろうか?って言われたけど首を横に振った
駅前までお見送りするとミンギュくんは眉を下げながらいいのにって笑われる
「迷子になったら困るから」
嘘、本当は今家に帰るの怖いの
まだジフナ帰ってきてないかもしれないから
確かめるのが怖い………
私嘘ついてばっかりだな…
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作者名:鱈 | 作成日時:2020年5月2日 18時