薄桜鬼黎明録 羅刹と新選組！

２８話 あなたside ページ32

〜台所〜

台所に行くと、龍之介がいた。

井「ああ。どうしたんだ？」

貴「ちょっと喉が乾いて」

僕がそう言うと龍之介は水を持って来てくれた。

貴「ありがとう^ ^」

井「いいよ。夕飯は終わったのか？」

貴「ううん。あのね…」

僕は龍之介にこれまでのことを話した。


井「芹沢さんが…。なんというか、災難だったな」

貴「大丈夫だよ」

僕はそう言って笑った。

貴「ところで龍之介」

井「なんだ？」

貴「僕さ、芹沢さんって悪い人じゃないと思うんだ」

井「どういう意味だ？」

貴「そのまんまだよ。さっきそう思った」

井「…俺も、最近そう思うんだ」

龍之介は言った。

井「少なくとも、悪い人ではない、な」

貴「そうだね」

やっぱりそうなんだ。

僕だけかもしれないとも思ったけど、そんなことなかったみたい。

貴「龍之介はさ…」

井「ん？」

貴「…ううん。やっぱりいいや」

井「そうか？」

貴「うん。気にしないで。…じゃあ僕は広間に戻るから」

井「ああ。じゃ、また明日な」

僕は廊下に出た。

さっき龍之介に言えなかったこと…

『もしも土方さんたちと芹沢さん、どちらかを選ぶことになったらどうする？』

いつか、そんな日が来るのかもしれない…

不安な気持ちで、僕は広間に入った。

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