2-17 不安 ページ17
.
千手一族を村に匿って5日後、村人と一族の間での争いはなく忍達は着々と身支度の準備を進めていた
「色々と世話になったの」
「いえ、こちらこそよくしてもらいました」
怪我をしていた忍達の治療の恩返しに柱間が村の家を一つ建ててくれた。流石に頭領である人にそれはマズイと思い二人は必死に断った
だがいつ壊れてもおかしくない家に子供達が住み続けるのは危険だと頑として芯を曲げず通すものだから、結局セノリ達が折れることになったのだ
「柱間様!俺に忍術教えて下さい!」
「私にも!」
「あ、こら!」
勿論色んなものに興味を持つ子供達も柱間の木遁術に魅入られ、会得しようと(木遁は柱間しかできないので他の術の修行をした)日中明け暮れたのだ
ワイワイと柱間に集まる子供達は背後からの拳骨で消沈した
「ったくお前らは、わいらは護身術もっとけばいいだろ」
犯人はハヤブサだった
「いってーな!ハヤブサの兄ちゃん!」
「夜月さんのゆーこと聞かんのが悪い」
「ウッセェ!兄ちゃんのアホタレ!」
「んだと?」
もう一回殴られたいのかとぼきぼき指を鳴らすハヤブサにまあまあとメジロが落ち着かせる
「にしても、チトセちゃん来ないね」
「そういや昨日から見てないな」
ハヤブサとメジロが目を合わせてどうしようと不安そうな顔をする
一族をここへ止めることとなった張本人が来ないとなると失礼極まりない話だ
「別に気にしなくていいぞ。助けたのは俺の判断だからの」
ガハハと豪快に笑う柱間にやれやれと扉間は呆れるしかなかった。そして柱間の号令に一族は村からぞろぞろと出て行った
柱間達が見えなくなるのを見届けると夜月はボフンと煙を上げていつもの服装に戻った
「お疲れ様、夜月ちゃん」
「ったく」
相当疲れたのか青白く見える夜月の顔色にセノリは声をかける
「…柱間と話をして、どう思った?」
「相変わらずだよ。人を疑わず、夢に向かってまっすぐの目を持ってた」
初めて会った時と変わらない目に夜月は更なる確信とそれを見たい感情に心が満ち溢れた
それと同時に泥だらけになって帰ってくるチトセに何だか申し訳ない気持ちが出てきた
「チトセちゃんもそれと一緒さ。夜月ちゃんみたいな誰かを守りたいと思ってる。そろそろチトセちゃんの気持ちも汲み取ってやれば?」
「…そうだな。チトセが帰ってきたら軽めの任務でも同行させようか」
僅かに口角を上げる夜月だが、後日それは叶わなくなることになるのは思いもしなかった
26人がお気に入り
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
サメ?(プロフ) - 続きめっちゃ楽しみです!更新停止になってしまってますが、これからも頑張ってください! (2022年6月14日 21時) (レス) @page38 id: 9329097f20 (このIDを非表示/違反報告)
船長 - これからも更新頑張ってください (2018年2月26日 17時) (レス) id: 8b9f7d7cc1 (このIDを非表示/違反報告)
シオン - 華月sども(*´∀`)お久しぶりです 気づかぬ間にめっちゃ書いてますやん(((( 画面の向こうから応援してますよ! 華月s頑張れー!フレッ⊂(`・ω・´)⊃フレッ (2016年1月10日 18時) (レス) id: 619d5fd377 (このIDを非表示/違反報告)
華月(プロフ) - わああ!!スミマセン!!打ち間違えましたァア!!( ;´Д`) (2015年8月6日 18時) (レス) id: f42ef30e33 (このIDを非表示/違反報告)
華月(プロフ) - misyou.goさん» mid you.goさん、コメありがとうございます!!更新停止はないと思いますが…他の作品にも更新するので更新が不定期だったりします。これからもよろしくお願いします!(^◇^) (2015年8月6日 18時) (レス) id: f42ef30e33 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:華月 | 作成日時:2015年7月23日 20時