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29 セノリの過去 ページ30

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とある集落の庭から音が響く

土が擦る音、拳がぶつかる音、荒息の呼吸音が僅かに聞こえる…



ドサッ


その音が暫くして何かが倒れる音と同時に鳴りやむ

少年「ッ……!」

男「立て!」

庭には1人の男と少年がいた

男は見た目からして30代前半ぐらい
それに対し少年はやっと10を超えたばかりに見える

今の光景を見て言えば男が仁王立ちし向こう側にいる少年は顔を下に向けて四つん這いになっている



少年「……はい…っ」

少年の体には擦り傷や打撲がくっきりと現れていた
だが、男はそれを思わないのか組手を続けた



少年「やぁ!」

ドッ、ガッ、ドガッ

少年は男の懐に潜り込むように距離を縮め攻撃を出す

だが、どれも男の手に阻まれ…

父「甘い!」

喝を入れたと同時に男は鳩尾に右手の拳を突かれる

少年「ガハッ)!!」


ドサァ…

父「速さにこだわり過ぎだ!決定打が欠ければ敵に殺られるのは当然!

それに何度も同じ攻撃するなと言ってる筈だ、
いい加減に覚えろ!!セノリ!」


男は地面に倒れる少年ーーセノリを怒鳴る

幼セノ「ゲホッ)…も、申し訳…あり、ませ…父…う、え…」

セノリの声は掠れてて聞き取るのもやっとの状態だ

それを見兼ねてなのか男ーーセノリの父親は倒れる少年に背をむける

父「…今日の稽古は終わりだ
明日の稽古までに治しておけ」



幼セノ「!……はぃ…。」




父親はセノリの返事が来る前には庭から姿を消した


ーーーーーーーーーー

「兄上!」

父親がいなくなったのを見計らったかのようにセノリよりも幼い少年が父親が消えた反対側の所から走ってきた

幼セノ「…見に…きたの、か…?」

「はい…早く部屋に行きましょう!」

さっきから体を地面に預けてばかりで全く動こうとしないセノリを傷に触らないよう優しく体を起こさせる少年

幼セノ「…いつも…ごめん、な…俺が…強かったら…」

ボソボソとかすれる声で話すセノリ
その顔には申し訳ない気持ちを滲ませている

「そんなことないですよ。俺にとって兄上は目標なんですから!」

気にしないでと表すようにニコリと微笑む少年

幼セノ「…お前は…優しいや、つ…だな









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……タジマ」

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華月(プロフ) - boss.さん» コメントありがとうございます!1話から読み返した時にコメントが来ていてちょっと吃驚しました(笑)一年越しの返信ですみません。来年は忙しいので更新は難しいと思いますがこれからも更新頑張っていきたいです。これからも宜しくお願いします! (2016年12月31日 10時) (レス) id: 7893b0e95f (このIDを非表示/違反報告)
boss.(プロフ) - いきなりコメントすみません(汗) bossといいます。俺、創設期が大好きなんで、こういう小説があってすごく嬉しいです…!更新頑張ってください。 (2015年12月30日 13時) (レス) id: 57c1b50368 (このIDを非表示/違反報告)
華月(プロフ) - 夜桜アゲハさん» 夜桜アゲハさん!応援ありがとうございます!これからも頑張っていくのでよろしくお願いします! (2015年6月30日 0時) (レス) id: f42ef30e33 (このIDを非表示/違反報告)
夜桜アゲハ - 更新頑張ってください!!応援してます(っ`・ω・´)っフレーッ!フレーッ! (2015年6月29日 3時) (レス) id: c2b7e6dcd4 (このIDを非表示/違反報告)
華月(プロフ) - 愛守羅さん» 愛守羅さんありがとうございます!これからも応援よろしくお願いします! (2015年5月2日 14時) (レス) id: f42ef30e33 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:華月 x他1人 | 作成日時:2014年8月19日 19時

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