2 出会い ページ3
パシャパシャ…トプン…
しばらくあった大雨が止み、打って変わって快晴の青々とした空が広がっていた
「…まだ来てないな、あいつ…。」
河原のところでヒョイっといくつもある小石の一つをとって少年が不機嫌そうに水切りをやっていた
数週間前に出会って友となった奴とちょくちょく会っては水切りや修行でお互いに己を磨き、時に将来について語り合うことが日課となっていた
お互い全てが同じ考えではないが、この戦国をどうにかして変えたいという気持ちは一緒だったからこういう日々がつづいている
ヒュンっとまた小石を投げて川に跳ねている小石を見届ければこつんと水面から飛び出ている流木に当たった
「(ここ二、三日は大雨だっから流木とかが多いな…)…?」
大雨になると川は氾濫し近くの木や草花、土も抉り取り流れていくため川は僅かにくすみ所々木の残骸が飛び出ていた
ふと川と岸辺境目の辺りを見ていると一つだけ流木とは違う違和感のあるものが転がっていた
流木とは全く違う、人の形をしている…
そんな事から直感的に思った
「人か…?!!」
死んでいるのかはよく分からないが動く気配も全くなかったことから恐る恐るそこに近寄った
遠くから見ても見えなかったものが近くに寄ればはっきりとうつ伏せに倒れた人だと確信した
「(打ち身や切り傷…。濁流に流されたのか…?)」
マダラは慎重に倒れた人の体を仰向けに転がした
時々川に流れ着く忍びの死体はどれも刃物で刺され切られた跡があるがこの人体にはそこ傷が見当たらない
更には一族なら必ず服に刻まれているはずの紋も探しても見当たらなかった
「(忍…なのは分かるが、一体何者なんだ?)」
そう腕を組んでうーんと唸った
小柄な男、腰や太ももにはホルスターがあった
忍の武器であるクナイや手裏剣がポーチの布と布の間から覗いている
他にこいつの正体が明らかにならないかとゆっくりとマダラは倒れている人の纏っている服の襟元に手をかけようとした
「………ぅ…」
「!」
僅かに聞こえた呻き声、それと同時に見えた顔が歪んだ気がした
「お、おい!生きてんのか?!」
「………?」
咄嗟に手をかけようとした胸元から離し、河原の砂利に手をおいた
そいつはうっすらと目を開けて俺の方へ顔を向けた
「……!」
そのとき初めて気がついた
目の色が黄金色であることを
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華月(プロフ) - boss.さん» コメントありがとうございます!1話から読み返した時にコメントが来ていてちょっと吃驚しました(笑)一年越しの返信ですみません。来年は忙しいので更新は難しいと思いますがこれからも更新頑張っていきたいです。これからも宜しくお願いします! (2016年12月31日 10時) (レス) id: 7893b0e95f (このIDを非表示/違反報告)
boss.(プロフ) - いきなりコメントすみません(汗) bossといいます。俺、創設期が大好きなんで、こういう小説があってすごく嬉しいです…!更新頑張ってください。 (2015年12月30日 13時) (レス) id: 57c1b50368 (このIDを非表示/違反報告)
華月(プロフ) - 夜桜アゲハさん» 夜桜アゲハさん!応援ありがとうございます!これからも頑張っていくのでよろしくお願いします! (2015年6月30日 0時) (レス) id: f42ef30e33 (このIDを非表示/違反報告)
夜桜アゲハ - 更新頑張ってください!!応援してます(っ`・ω・´)っフレーッ!フレーッ! (2015年6月29日 3時) (レス) id: c2b7e6dcd4 (このIDを非表示/違反報告)
華月(プロフ) - 愛守羅さん» 愛守羅さんありがとうございます!これからも応援よろしくお願いします! (2015年5月2日 14時) (レス) id: f42ef30e33 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:華月 x他1人 | 作成日時:2014年8月19日 19時